『加齢とミントとカタカナの問題』
時間はまだ午後5時半! 駅から歩いて10分もかかるこの店でこの有り様ってこたァ〜よっぽどこの店人気あんだな〜と思いつつ、シロとカシラ(ともに120円)を焼いてもらう。
そんなメニューの思案をしている間に、一杯目はとうに呑み干してるんで、二杯目をどうしようかこっちも思案していると、T氏が呑んでるジョッキが横目に入った。
これがさ、一見ただのサワーなんだけど、ライムらしき果実と、涼しげにミントっぽい葉っぱまで入ってる!
この手のもつ焼きの店でもライムが入ってる飲み物はたまぁ〜に見るけれど、ミントっぽい葉っぱまで入ってるのは、オレは見たことがない!
なによその“モツ焼き”というオヤジ臭いシュチエーションに似合わぬ洒落たヤツ!
「あ、これ? これ、あそこに張り紙してあるヤツ。『M(店名)サワー』だって」
見れば380円とある。レモンサワーと30円しか違わないじゃんと即座に頼めば、氷と焼酎の入ったジョッキ、そしてサワーの瓶と4分の1カットのライム2辺とミントの葉が2ツ乗った小皿が出てきた。
ようするにホッピーと同じシステムで2杯目以降は焼酎の中だけ頼んで、あとはサワーを中注ぎして楽しめる、お得スタイルだ! これで一杯こっきりのレモンサワーと30円しか違わないってのは、ダブルお得である!
「もうなんだかアレみたいでしょ、ホラホラ、なんだっけ、カクテルのさ、アレよアレ!」
とT氏。
あ〜アレね、アレアレ、え〜とアレ、なんつうんだっけ?
「そうそう、アレよ、アレ…、なんだっけかな〜」
それよ、アレよ、あれなのよ。わかってんだよ、わかってんだけど、名前が出てこないんだよな〜。アレのことでしょ?
「そうアレだよ、なんだアレ!」
わかってんだよ、ちゃんと内容は。カリブの方のカクテルでさ、昼呑みによさそうな、軽めの葉巻なんかと合いそうなヤツ。
オヤジはカタカナの名前がなかなか出てこないのだ。