
■Introduction
Bluetoothスピーカーが熱い! オーディオマニアでなければ、スピーカーもイヤホンもヘッドホンもBluetooth接続から選ぶのが世間の常識になりつつある。スマートスピーカーも、iPhoneもイヤホン端子がなくなってBluetooth接続である。海外ではハイレゾ音源によるストリーミング再生も開始され、Bluetoothの注目度が高まっている。
そこで登場したコーデックが、48kHz/24bitに対応したクアルコム社のaptX HDだ。さらにソニーもLDACで96kHz/24bitに対応した。この両方のコーデックに対応したモジュールがQualcomm「CSR8675 Bluetooth Audio SoC」なのだ。これを採用しても両方のコーデックに対応するとは限らないのだが、6月8日発売のOlasonic『IA-BT7』は素直にaptX HDとLDACに対応している。それだけでなく、数々のこだわりが込められたBluetoothスピーカーである。その重量2.2kgと聞くだけで只者でないことが分かるだろう。
■Design
オラソニックと言えば卵型スピーカーがウリだったのだが、今回の製品はチボリ? Tivoli Audioなのと思わせる北欧デザイン採用で卵の片鱗すらない。オラソニックは東和電子のオーディオブランドだったのだが、2017年10月にインターアクション傘下になった。ここから発売する初のコンシューマー向け製品が『IA-BT7』である。設計はオラソニックブランドを作った山本喜則氏がCEOを務めるSOZOデザインが担っている。卵型スピーカーを設計していた清水部長はインターアクション・オラソニック事業部に移り、彼らが中心となって『IA-BT7』が生まれた。
その設計は基本に忠実であり、量感ある低音を再生するため、3D方式を採用、110mmのウーハーにパッシブラジエータを追加している。エンクロージャーの共振を想定して素材はMDFを使い、オイルフィニッシュのウォールナットの突き板を採用。それぞれのスピーカーごとにパワーアンプを使ったマルチアンプ駆動として、DSPを使ったデジタルチャンネルディバイダーを採用している。このためアナログ入力もA/D、D/A変換して再生。その際に音楽データを96kHzにアップコンバートしている。ウーハーのクロスオーバーは200Hzで、パッシブラジエーターは40〜50Hzを担当。ツイーターは200Hz〜50kHzをカバーする。ということでハイレゾステッカーも貼ってある。
クラスDアンプには出力30Wで96kHz対応のTI「TAS5782」を採用。音決めに際してはレコーディングスタジオ「ミキサーズラボ」と協力してなめらかで艶のあるボーカル再生を追求したという。BluetoothのICである「CSR8675」のモジュール化は自社設計でおこない不要な機能を排することで高音質化を図っている。