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2018.06.08

映画監督を目指すなら学校に行くのが近道?

■連載/Londonトレンド通信

 ベルリン国際映画祭での日本映画は、見過ごせない一群となっている。

SCREEN第68回ベルリン国際映画祭版2月17日号

 選出される本数の量的な豊かさに加え、注目に値する質の高さもある。実際、かなりの頻度で何がしかの賞をさらっている。今年も行定勲監督『リバーズ・エッジ』が国際批評家連盟賞を受賞した。

二階堂ふみ、行定勲監督、吉沢亮 第68回ベルリン国際映画祭

 受賞とともに先々の明るさを感じさせるのが、新人監督の登場だ。

 中でも恒例と言えるのが、ぴあフィルムフェスティバル(以下、PFF)からやってくる新人たち。PFFは自主製作映画を選定、上映する映画祭で、その参加作がベルリンの選定も通ることが続いている。

 今年は、PFFアワード・グランプリに輝いた清原惟監督『わたしたちの家』と観客賞獲得の山中瑶子監督『あみこ』がやってきた。PFFアワード受賞に若い女性監督の作品という点も同じだが、制作過程から作風まで対照的な2作だ。

 『わたしたちの家』は清原監督の東京藝術大学大学院修了制作。

清原惟監督 第68回ベルリン国際映画祭

 同じ院で学ぶ加藤法子さんとの共同脚本で、丹念に積み重ね、伏線を張っていった、よく練られた構成が光る作品だ。また、そうでなければ成り立たなかった映画でもある。

 というのも、一軒の家を舞台に全く別のストーリーが、ふとした瞬間に交錯しながら進行していくからだ。

 道からすぐの壁面にあるドア1枚分ほどのシャッターを上げて入る特徴的な作りの家だが、内部はむしろ懐かしいような日本家屋になっている。

『わたしたちの家』

 その見間違いようもない家で、母(安野由記子)と暮らす父を亡くした少女(河西和香)のストーリーと、一人暮らしの女性(藤原芽生)とひょんなことから共同生活を始める記憶を無くした女性(大沢まりを)のストーリーがそれぞれに展開していく。

 2つのストーリーが過去と現在なのか異世界なのか、謎が観る者を引き込む。

 この作品を清原監督が発想したのは、バッハのフーガからだった。

「独立した旋律が重なって別々でありながら1つのハーモニーが生まれる構造が美しく、映画でも同じようなことができるのでは、美しい映画になるのでは」という清原監督の目的は果たされた。

 レトロな家のインテリアはじめ日々の暮らしの何気ない細部が絶妙に活かされ、不思議で美しい映画になった。

 2つのストーリーが重なるのか、離れるのか、どう着地するかで最後まで引きつけ、その興味を裏切ることのない結末も見事だ。

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