
アシックスは、次世代に向けた陸上スプリントシューズのプロトタイプを開発したと発表した。同社によれば、このモデルは、従来の陸上短距離用スパイクシューズの概念を変え、陸上短距離競技において最速を目指すために開発したものだという。その特徴はスパイクピンを備えた従来型ではなく、同社独自の新技術であるカーボンファイバー素材をベースとした複雑な立体構造を靴底に取り入れたこと。
通常のスパイクシューズは、スパイクピンを地面に貫入させ高いグリップ力を得ることで推進力を引き出し、スピードにつなげている。
このモデルは、そんな地面を「点」でとらえるピンスパイクと異なり、接地面を増やして「線」でとらえるようにすることで、より効率的に高い推進力を得ることができるという。また、スパイクピンを搭載しないため、軽さを追求でき、靴底の適所を硬くするなど設計の自由度も広がる。
このモデルの開発は、「スパイクピンが地面にささる感覚がある」といった選手の声がきっかけで2015年夏からスタート。アシックススポーツ工学研究所でスパイクピンが地面をとらえる時間と、推進力との関係性を検証するなど研究を繰り返すことで、スパイクピンを用いずにスピードを追求する、従来の概念にとらわれない新しい発想が生まれた。
関連情報
https://www.asics.com/jp/ja-jp/futuresprintshoes
構成/編集部