■ポイントで株を買う?
最後に紹介しておきたいのは、さらにユニークな取り組みとして、ポイントで株を買う、というフィンテックベンチャーです。代表的なものは「STOCK POINT」でしょうか。
https://www.stockpoint.co.jp/
https://jp.techcrunch.com/2017/11/20/stockpoint-release/
サイバーエージェントのポイントプログラムであるドットマネーを交換して、バーチャル的に株式投資を行い、ポイントが株式単位に満たされたら実際の株を保有することができる、というものです。今のところ交換対象がドットマネーのみというのが残念ですが、セゾンの永久不滅ポイントが利用可能になることがアナウンスされており、将来的にはもっと増えるかもしれません。
また、タイアップ企業とのリレーションにより、日々の消費行動をポイント化して株式保有に結びつけるような仕組みも想定されています。例としてはA社の食品を購入していくうちに購入ポイントが付与され、A社株の権利を得るようなケースが例示されています。これも興味深いのですがなかなかサービスインしていないのが残念です。
■ポイントもまたITのおかげで便利になった
いろんなポイントシステムの最前線を紹介してきました。「飛行機のマイルかTポイントカード」「プラスチックのポイントカードで財布がパンパン」くらいに思っていたら、ポイントの世界は大きく変化していることが分かったかと思います。
ポイントの世界もまた、ITの普及によって利便性が高まりました。1ポイントは一般に1円の価値を持つ、ということは実質的にはポイントはお金とほぼ同じということです。
毎日コンビニで300円使う人は、月に約1万円の利用があるわけですが、1%のポイントを取り逃すことは年1200円の損です。スーパー、家電量販店、ドラッグストアとポイント獲得状況を点検してみると、月1000円のポイントを取り逃しているかもしれません。
フィンテックの恩恵を活かして「ポイントを取り逃さない」ことと「ポイントをしっかり活用する」ことを考えてみてはどうでしょうか。
文/山崎俊輔
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。企業年金研究所、FP総研を経て独立。新聞や経済誌サイトでのネット連載10本を抱える人気コラムニスト。