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西野監督がロシアW杯でサプライズを起こすカギは「岡田・南ア方式」にあり!

2018.05.24

■期待は8年前を知り尽くす早川直樹コンディショニングコーチだ

 後ろに人数を割く分、攻撃陣はどうしても枚数が減る。GKを含めて8人が後ろで守り、攻めは3人のアタッカーが担うという「南ア方式」が現実的だろう。となると、躍動感と推進力のある選手を抜擢しなければ、相手の強固な守りは崩せない。だからこそ、フィジカルコンディションをしっかりと見極める必要がある。南アでも最終的に松井が選ばれたのは、スイス・サースフェーの高地合宿で心肺機能の数値が飛躍的に上昇したから。逆に数値が停滞した中村や岡崎はサブに回されている。そのくらい明確な基準があれば選手側も納得するはずだし、使う方も思い切り負担をかける勇気が湧いてくるだろう。

 幸いにして、西野ジャパンのフィジカルコンディショニングを担当しているのは、8年前の一部始終を知り尽くしている早川直樹コンディショニングコーチだ。当時のアプローチを全て把握している彼は、21日からの代表合宿でさまざまな計測をいち早く取り入れている。初日は持久力と心拍数の低下速度を図る「ヨーヨーテスト」を実施。その数値とシーズン中の試合出場数やケガの有無を見ながら、2日目の走りの強度を選手ごとに分けていたのだ。

「フィジカル強化のアプローチは(ザック時代、ハリル時代から)完全に変わりましたね。試合に出てない選手、ケガをしていた選手と状況がいろいろ違うんで、それによってプログラミングされてると思うし、その説明も受けてますけど、このやり方の方が建設的だと思います」と吉田も前向きに語っていた。ザックが率いた4年前の本大会前は負荷のかけすぎて全員のパフォーマンスが低下したし、ハリル時代も2015年の清武弘嗣(C大阪)、2016年の本田、2017年の香川というように毎年この時期の練習で負傷者が出ていた。その失敗を生かしたアプローチ方法で、トップコンディションに到達できる人間が数多く出れば、攻撃陣の選択の幅も広がるだろう。

 西野監督はその段階でも「経験」と「実績」に固執するかもしれない。が、やはりアタッカー陣こそ好調な選手が出るべきだ。本来の実力が劣っていても、コンディションがよければ相手より走れるし、駆け引きでもフィニッシュでも敵を凌駕できるからだ。この期に及んで新生ジャパンの確固たる攻撃戦術やコンビネーションを築き上げるのは不可能に近いのだから、走りやハードワークと言った別の武器で対抗するしかない。新指揮官にはいい意味での割り切りを求めたい。

超守備的で行くなら、ドイツ杯決勝でハメス・ロドリゲスを押さえ込んだ長谷部が鍵を握るのか…それにしても時間が止まったようなW杯がいよいよ始まる!
Photo:GETTYIMAGES

元川悦子<もとかわ えつこ> 
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

■連載/元川悦子「ロシア戦記」

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