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2018.05.24

西野監督がロシアW杯でサプライズを起こすカギは「岡田・南ア方式」にあり!

■連載/元川悦子「ロシア戦記」

 2018年ロシアワールドカップの初戦・コロンビア戦(サランスク)までついに1カ月を切った。18日にはガーナ戦(30日=日産)に挑む日本代表27人が発表され、21日から西野朗新監督率いる新生ジャパンが始動しているが、主要メンバーは本田圭佑(パチューカ)、岡崎慎司(レスター)、香川真司(ドルトムント)の「ビッグ3」ら代わり映えしない顔ぶれ。ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督の「最後の遺産」と言われた中島翔哉(ポルティモネンセ)、次世代のエースと期待される堂安律(フローニンゲン)も揃って落選しており、新指揮官が「実績」と「経験」を特に重視したことが色濃く伺える。

 そういう人選をしたのも、西野監督自身に「世界基準の国際経験値」が欠けているからだろう。

 新指揮官はご存じの通り、96年アトランタ五輪での「マイアミの奇跡」、そして柏レイソル、ガンバ大阪、ヴィッセル神戸、名古屋グランパスのJ1・4クラブで指導経験を誇る人物だが、これまで欧州トップクラブの視察やコーチ研修などに積極的に赴くタイプではなかった。2016年の技術委員長就任時も「海外の現状をよく知らないので、これから勉強したい」と語っていたほどだ。

 そこは、欧州の最前線で指揮を執ってきたアルベルト・ザッケローニ(現UAE代表監督)、ハビエル・アギーレ、ハリルとの大きな違い。18日の代表メンバー発表会見でも「(6月19日の初戦)コロンビア戦(サランスク)の絵はまだ描けていない」とストレートに語っており、強豪3カ国を翻弄するような斬新な戦術を期待するのは難しそうだ。

 新指揮官は相手との力関係を踏まえて3バックの導入も視野に入れているとも言われるが、「3枚と4枚は全然違うんで、何を変えなきゃいけないかって言われるとありすぎるんですけど、誰が出るかにもよるし、3なのか5バック気味なのかによってもまた変わってくるので、やってみないと分かんないですね」と守備の要・吉田麻也(サウサンプトン)も険しい表情を浮かべていた。現時点では西野監督がどういうサッカーを志向するか分からないだけに、選手たちも手探り状態に陥っている様子だ。

 メンバー全員が揃う25日から戦術練習がスタートする模様だが、3週間程度しか準備期間のない西野ジャパンが第一に手掛けなければならないのは守備の構築である。ベスト16入りを果たそうと思うなら、守りに人数を割く現実的な戦い方を志向せざるを得ない。そこでクローズアップすべきなのが、2010年南アフリカワールドカップで岡田武史監督(現FC今治代表)が採った超守備的戦術だ。

 岡田ジャパンはもともと4-2-3-1の布陣を採っていたが、同年5月下旬の壮行試合・韓国戦(埼玉)で0-2と完敗。チームは最大の危機に瀕した。そこで指揮官は理想を捨て、阿部勇樹(浦和)をアンカーに据えた4-3-3にスイッチ。エースだった中村俊輔(磐田)を外し、正守護神だった楢崎正剛(名古屋)と最大の得点源になっていた岡崎を控えに回すという大胆策を講じた。その後のイングランド・コートジボワール戦で守備修正が図られ、1つの方向性が見えてきたが、攻めの方はメンバー構成がギリギリまで定まらなかった。右FW松井大輔(横浜FC)、左FW大久保嘉人(川崎)、1トップ・本田という前線3枚が決まったのは、初戦・カメルーン戦(ブルームフォンテーヌ)のわずか4日前。まさに綱渡りのチーム作りが奏功したのだから、誰もが驚きを隠せなかった。

 つまり、岡田ジャパンの例から言えるのは「失点しない守備組織さえ構築すれば、短期決戦のワールドカップでは勝ち目がある」ということだ。

 仮に、今、流れている噂通り、西野監督が長谷部誠(フランクフルト)を最終ラインに下げ、ストッパーに吉田や槙野智章(浦和)らを配する3バックに移行するのであれば、ゴール前の守りは確実に固くなる。初戦の相手・コロンビアはラメダル・ファルカオ(モナコ)の1トップの背後にハメス・ロドリゲス(バイエルン)がいる形がメインだから、3バックだとミスマッチになる恐れもあるが、ハメスは状況によって最前線に飛び出し、2トップ気味になるケースもあり得る。そういう時こそ、マークがハッキリしていた方が守りやすい。こういった守りの整備を早急に進めることが、ロシアでサプライズを起こす重要ポイントではないだろうか。

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