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2018.05.23

副業先進国アメリカにみる〝ダブルワーク〟の理想と現実

 いわゆる「働き方改革」における一連の流れの中で、民間企業正社員の副業が解禁される方向に向かっている。これまでの日本の企業文化にはなかった“ダブルワーク”だが、副業を持つことで勤労者の生活にどのような影響を及ぼすのか? 一足先にWワークが普及しているアメリカの研究が注目を集めている。

■Wワーカーは複数の仕事に優劣をつけていない

 最近の調査によればアメリカ人勤労者の720万人が2つ以上の仕事を掛け持ちしているという。特に男性勤労者の50%が2つ以上の仕事に従事しているのだ。月夜の時間にも働いているという意味でムーンライター(moonlighters)と呼ばれるWワーカーは平均に週46.8時間の労働をしており、アメリカ人の平均労働時間である38.6時間よりも8時間以上も長く働いていることになる。

 米・ボールステイト大学の研究チームはこれらWワーカーの実態を調査した研究を先日、学術ジャーナル「Springer」で発表した。研究チームはWワーカーのそれぞれの仕事に対する勤労意欲(work engagement)を調査することに加え、実際の勤務態度を専業労働者と比較した。

NWI Times」より

 研究の結果、Wワーカーは複数の仕事に優劣をつけていないことが浮き彫りになった。「福業」はメインではない仕事を意味する言葉だが、イメージに反して多くのWワーカーはどちらの仕事も同じように“メイン”であると考えている傾向があるのだ。

 したがってWワーカーはどちらの仕事に対しても高い意欲を持ち、勤務態度についても専業の社員に何ら変わるところはないということだ。企業側がWワーカーは勤労意欲が低く職務を怠りがちになるのではないかと考えるのも無理はないが、実際にはそんなことはなかったのだ。企業にとってWワーカーを雇用することに懸念を挟む必要はないことになる。

 しかしWワーカーのリスクは別の所にあった。それは家族への影響である。総労働時間が長いWワーカーは当然のことながら家族と一緒に過ごす時間が少なくなる傾向にあるため、家族との軋轢が発生しやすくなっている実態もまた今回の研究で明らかになった。

 こうした実態から研究チームは企業はWワーカーを雇用することに何ら懸念を抱く必要はないものの、彼らの家族生活について配慮し、労働時間に制限を設けたり有給を取りやすくするなどの措置が企業には求められていると提言している。

 副業を解禁することで皮肉にも“モーレツ会社員”が復活してしまうのは本末転倒ということになるだろう。これからWワークが本格化する日本社会にあって気に留めておきたい話題だ。

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