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3キャリアで使えるSMSの進化形「+メッセージ」はLINEと何がどう違う?(2018.05.17)

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■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

 スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は3大通信キャリアで使える「+メッセージ」について議論します。

■「+メッセージ」はどんなサービス?

房野氏 ドコモ、au、ソフトバンクが「+メッセージ」の提供を発表しました。どういったサービスになるのでしょうか。

房野氏

石川氏 一般紙では“LINE対抗”といわれていますけど、実際はそれだけではないと思います。今回、少ししか触れられていなかったけれど、海外キャリアの実例からもわかるように、法人利用というか、顧客接点のためのツールとして機能するんだろうなと思います。「+メッセージ」を始めたところで、現状の仕組みだとキャリアは儲からないわけで、なにかしら食い扶持を見つけないといけない。そうなると、顧客接点としての法人利用がメインになってくるのかなと思います。

 これまでも顧客接点のためにいろんなアプリケーションが作られてきましたけど、ユーザーはそういったものに飽きていて、アプリが配信されたとしてもダウンロードしない、使わないという状況がある。そんな中、どうやって企業がユーザーと接点を結んでいくかというと、SMSをベースにした「RCS(Rich Communication Services)」による接点。海外の例でいえば、サンドイッチのサブウェイでは、RCSがお客さんと対話して注文を取り、決済するツールになっている。広告的な要素もあるし、キャリア決済もできる。そう考えると、LINE対抗というよりもLINE公式アカウント対抗という位置付けになるのかなと思いました。

石川氏

石野氏 auの場合はSMSアプリを置き換える形、ソフトバンクはS!メールアプリを置き換える形、ドコモは、SMSのアプリがメーカーごとに異なるという諸事情があって、追加でダウンロードする形ですけど、基本的にはSMSを置き換えるものなので、LINE対抗といいつつ、対抗できなくても生き残る。SMSがなくなっていないのと同じで、それがもっと便利になるという意味。盛大にLINEを打ち倒さなくても生き残れるし、電話番号でやり取りするメッセージの進化形として、これはアリだと思います。

 僕らの仕事だと顕著かもしれないですけど、取材先の人に「ちょっと遅れます」という連絡をLINEでは送らないですよね。そもそもLINEの友だちになっていない。一時的にやり取りをする人というのは必ずいて、そういう時にSMSはやっぱり便利。ただ、今までは文字数制限があったり、1通3円かかったりした。「+メッセージ」ではそういう弱点が払拭されているので、便利になると思いつつも、デフォルトで搭載できるのはAndroid端末だけで、『iPhone』はiMessageと分かれる形になるので、普及が思ったように進むかなというのが1つ懸念。GSMAの共通規格なので、もうちょっとAppleを巻き込んだ形にしていかないと厳しいかなと感じました。

石野氏

法林氏 毎度のことですが、一般メディアが勘違いというか、「LINE対抗」と言ってみたり、「どうやったらLINEを倒すことができますか」とかトンチンカンなことを言ったりしている。メッセージングサービスをキャリアが始めるので、キャリア嫌いの人は、またキャリアが訳のわからないサービスを始めた云々みたいなことを書くけど、現実的には石野君が言ったように、電話番号しか知らない相手と、SNS以外でやり取りできるという点がメリット。果たして、そういう人にスタンプを送る必要性があるかどうかはちょっと疑問だけど、写真を送れるのも便利だと思うので、そこはいいと思います。あと、LINEやFacebookでつながりたくない相手に、そっちのアカウントは明かさないけど、電話番号だったらいいですよ、みたいなところにはあると思うので、そういう人にはいいサービスだと思う。

 便利な『iPhone』が対応していないからダメかもみたいなことも言われたけれど、いざ、フタを開けてみたえら、ちゃんとアプリを最初から用意してきている。また、RCSについてはGSMAやGoogleも担いでいて、今の時勢を考えると、Appleとしては乗らざるを得ないし、「iMessage」みたいなローカル規格でやっているよりは、下手したら次のOSアップデートで「iMessage」をRCSにします、くらいのことはやりかねない。閉じた世界でしか使われないコミュニケーションサービスは、いずれ廃れるようになっている。そういう意味では良かったんじゃないかと思います。

 あと、石川君が言ったように、将来的に商売へ結びつけるのがキャリアの狙い。決済や、ドコモでいう「メッセージR」とか「メッセージS」でやっているような、ああいう情報を届ける配信型広告サービスは、それなりにお金が動いている。同じことはauもソフトバンクもやっている。キャリアメールの使われる比率が下がっている現状を考えると、このサービスにも同じようなことをしていくと思うので、可能性はあるかな。ただ1つ大きな問題は、「+メッセージ」で送れない時にSMSになって、それが有料というのは、ちょっと問題があるかな。

法林氏

石野氏 ついでにSMSも無料にしてくれればいいのに。

法林氏 SMSって、海外では「通話60分間無料、SMS1000通無料」みたいに、料金プランの基本料金に含まれているものが多い。日本は未だに1通3円取っているので、何をやっているのかと思う。そうはいっても、データを流さなくてはいけないのでコストはかかるんだけど、1通3円取るんだったら、基本使用料の中に含めるのがいい。さすがにスパムメールを1日1000通送られると困るので、数の制限をした方がいいと思うけれど、基本的には料金プランの中に含めた方が良かったかな。テザリングの話と同じですね。

石野氏 ソフトバンクは「S!メール」を辞めたいのかなとちょっと思った。

法林氏 辞めたいでしょう。

石野氏 ソフトバンクの「+メッセージ」アプリは「S!メール」を統合していて、メールアドレスで送れることは送れるけど、メーラーとしての機能が裏方に回っている。一応受信できます、みたいな感じになっているので、ソフトバンクは、ここぞとばかりにキャリアメールを辞めたがっている感じがすごくした。

法林氏 ソフトバンクの「S!メール」はMMSだからね。統合しなきゃいけないという背景もあるし。

石野氏 そうですね。各キャリアで、若干、思惑が違う感じがある。

石川氏 三者三様のメールの歴史がある。それによって考え方も違うし、実装の仕方も微妙に違う。あれだけ環境が違う中で、3社が合わせたことは評価したい。ただ一方で、3社が仲良くやっているがゆえに、よくわからないところもある。スタンプストアはどこが仕切るのか。今後、ビジネスを大きくしていこうと思ったら誰に相談すればいいのかというところが、いまいち見えてこない。何かしらの協議会を作るか、電通が出てくるか、“「+メッセージ」ジャパン”みたいな会社を作るかしないと、うまく回らないだろうなという気がする。電通がシメシメと思っているんだろうなと(笑)

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