
組織の中で働いていると、歯がゆい思いをすることも多いだろう。そんな時は、海外ドラマの主人公の生き様を参考にしてみてはどうだろう。海外ドラマには、様々な職業に就いている人々が登場する。今回ご紹介するのは、理不尽な組織の中でも自分を信じて頑張っている主人公が登場する3作品だ。
■『SUITS / スーツ』
ハーバード大学卒業生しか入れないニューヨークの一流法律事務所が舞台。知的でクールな雰囲気のドラマだ。プロデューサーのアーロン・コーシュはかつてウォール街の投資銀行に勤務していたそうで、その当時の体験をもとに書き上げたという。
本作の主人公は、常に自信満々で負け知らずの弁護士ハーヴィー・スペクターと、弁護士のフリをして事務所に入った天才詐欺師マイク・ロス。いわゆる“バディもの”だ。
といっても、ハーヴィー&マイクの場合は年齢差・経験差がかなりあるため、対等な関係というよりはハーヴィーの方が父性を強調して描かれている。厳しさと包容力を持ち合わせているハーヴィーには、男性ファンも多い。マイクは心が優しくて頭がいい青年だが、一時の感情に左右されやすく詰めが甘い部分もある。そんなマイクを“飴とムチ”でうまくヤル気にさせる、ハーヴィーのテクニックにも注目だ。
本作に登場する人々は、男女問わず皆アグレッシブで自信満々で颯爽としている。激しい足の引っ張り合いや勢力争いも日常茶飯事だ。
特にハーヴィーは、相手が上司だろうが大企業だろうが、相手の弱点や矛盾点を見つけ次第すかさず突き、強い口調で自分の要求を飲ませようとする。まるで呼吸をするかのように、ごく自然に粗探しと揚げ足とりばかりしている様子は、芸術的といってもいいかもしれない。
ここまで読むと“ただの性格が悪い人”と思われそうだが、決してそうではない。
彼らは、結果が全ての弱肉強食の世界で生きている人々だ。本当に大切な人や物を守るためには、誰よりも強くて賢くなければならない。そのためなら、どんな嫌な奴にだってなってみせる……そういう覚悟をしているのだ。
だから、物語が進むにつれて、実は“強い自分”を毎日必死に演じている心優しい人々でもあることがわかってくる。「心は熱く、頭は冷静に」を地で行く人々には、学ぶべきことが多いはずだ。