
モノが売れない時代といえど、ヒット商品はしっかり誕生している。そこに情熱みなぎる〝イタンジスタ〟がいるからだ。
◆とがった商品をとがったプロモでヒットに!
サッポロビールスピリッツ事業部 RTDグループマネージャー
伊藤寿俊さん
1983年生まれ。2006年新卒でサッポロビール入社。営業部、広告部を経て現職。缶入りチューハイやカクテルなどを指す「RTD」全般のマーケティングを手がける。
《 2年連続過去最高売り上げ更新 》
サッポロビール『男梅サワー』
2013年、甘酸っぱい柑橘系味が主流の市場に〝しょっぱ旨い〟ガチの梅干し味で殴り込みをかけた『男梅サワー』。一見イロモノだが同社のRTDで最も売れる超人気商品だ。160円(350ml)。
「『男梅キャンデー』と同じで旨い」と主に男性ファンを獲得。昨年も前年比134%の165万ケース売れたのが『男梅サワー』だ。
人気の理由は味だけではない。
『缶裏に働く男性に響く格言入り』『ハロウィン時は妖怪風パッケージに。梅干しだから和で』。そんな〝らしい〟ブランディングもファンが支持する。支えているのは同社の異端児・伊藤さん。「真面目にふざける」が信条だという。
「そもそもコラボ先の『男梅キャンデー』が〝修行中の梅干し〟をキャラクターにするなど真面目にふざけている。ただ酒類なのでキャラを使った販促はできない。だからよりとがった表現をしないと伝わらないと思ってます」(伊藤さん)
1月には「ただひたすら梅干しの画像を見つめられるキャンペーンサイト」を展開した。この「唾液を出させて正月の胃もたれを回復させる」真面目にふざけた狙いが大当たりし、同社のウェブキャンペーンで最もバズる結果に!
「うれしかったです。ただ僕、実は梅干しが苦手で食べられない。企画中はややキツかったです(笑)」
缶裏面の働く男の心に染みる格言は、男梅の世界観を表現。「この格言に励まされた、という声は多いです」
文/編集部
※記事内のデータ等については取材時のものです。
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