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2018.05.15

頭に思い浮かべたビジュアルイメージで音の聞こえ方が変わるってホント?

 腹話術の人形の声はもちろん人形の口から出ているわけではないが、しかし腹話術という設定上では人形がしゃべっていることになっている。そして実際に我々はその時、本当に人形がしゃべっていると感じていることが最新の研究で報告されている。

■ビジュアルが聞こえる音に影響を及ぼす

 日々の生活でさまざまな光景が視界に入り、多様な音が耳に入ってくるが、我々はそのすべてを見聞きしているわけではない。受動的にインプットされる知覚情報の“洪水”の中から我々は、見たいものを見て、聞きたいものを聞いていることがこれまでの研究で確かめられている。

 さらに最新の研究では、我々は聞きたい音を状況に相応しく“加工修正”して聞いている可能性も指摘されている。特にその時に見ていたり思い浮かべているビジュアルが、音の聞こえ方に影響を与えているということだ。

 米・カロリンスカ研究所の研究チームが先日、心理学系学術ジャーナル「Association for Psychological Science」で発表した研究では、頭に思い浮かべたビジュアルイメージが音の聞こえ方に影響を及ぼしていることを報告している。具体的にはビジュアルイメージが、音源の場所を誤解させてしまうということだ。

News Week」より

 研究チームは6つの実験を行なっているのだが、そのひとつでは、実験参加者は頭の中のイメージの中で、スクリーン上の任意の場所に丸印を配置するよう求められた。そして丸印のイメージを思い浮かべた状態で、実際のスクリーンから発せられる音(ホワイトノイズ)を連続して聞かされて、その音がスクリーンのどこから発せられているかを次々に判断していくという課題が行なわれた。

 それぞれの音は左右とセンターのいずれかからランダムに発せられていたのだが、個々の参加者が思い浮かべた丸印の位置がこの判断に影響を及ぼしていることが顕著に浮き彫りになった。つまり音源の位置が丸印の位置に近づく傾向があるのだ。

「音の発生地点を特定する知覚が、実際の視覚刺激に対するものと同様に、イメージ上の視覚刺激に対してもほとんど同じ影響を及ぼすことに驚きました。実際に見ているものと同じくイメージ上の視覚情報も、その直後の音声認識に影響を与える可能性があります」と研究チームのクリストファー・バーガー氏は語る。

 つまり我々は見たいものを見て、聞きたいものを聞いているだけでなく、そこからさらに一歩進んで、聞きたいように“加工修正”して聞いていることになる。腹話術の人形がしゃべっているように感じられるのも、こうした認知のメカニズムによるものであったのだ。

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