
ワールドカップが目前に迫っている。
この大会が近づくたび、筆者は高校生の頃を思い出す。2002年の日韓ワールドカップがあの時分にあった。筆者は世田谷区の学校へ小田急線に乗って通学していたから、ワールドカップ目的で来日した多くの外国人観光客を目撃した。
ロンドンから来たという、イングランドサポーターの一行と小田急町田駅前で出会った。
「ボーイ、僕らは常にサッカーとともに生きているんだ。自分でプレイするわけじゃないけど、サッカーこそ僕らの人生なんだ! わかるか、ボーイ?」
彼らの口から出る英語をすべて聞き取ったわけではないが、そう言っていたのは確かだと思う。
そうか、サッカーはそこまで影響力のあるスポーツだったんだ。
当時17歳の日本人少年澤田真一にとって、それは極めて新鮮な知識だった。
■サッカーができるフォーマルパンツ
時は移り、2018年4月。
33歳になった澤田真一は、その日クラウドファンディングサービスMakuakeのオフィスに顔を出していた。とある製品の体験取材のためだ。
その直前、ある人物が筆者に声をかけてきた。差し出された名刺には「デサントジャパン株式会社 浅井」と書かれている。デサントだって? 大手のスポーツ用品メーカーじゃないか。
どうやら、デサントが展開するumbroブランドのウェアをMakuakeで発表するという。
ただしそれは、スポーツ用品メーカーが開発したとは思えないようなフォーマルウェアだった。製品名は『Umditional Pants』。ビジネスパーソン向けのパンツだ。
この製品の最大の特徴は、「サッカーができるフォーマルパンツ」という点である。今年開催されるロシアワールドカップを念頭に置いた製品、ということらしい。
この日はきっかり5分だけの製品検証だったが、それでも筆者の興味を掻き立てるには十分だった。日を改めて『Umditional Pants』を試着させていただく、ということでこの日は話を収めた。