
■Introduction
超ド級ハイエンド平面駆動型ヘッドホン『AB-1266 Phi』を作っているAbyssブランドの最新のモバイル対応モデルが『Diana』である。45万円とかなり高額なモデルだ。MrSpeakersのモバイルモデルだって10万円なのに〜 と思うだろうが、こちらは500gのアルミブロックを削って50gのハウジングを作るという設計者ジョー・スキビンスキ氏のこだわりが詰まったモデルなのだ。
■Interview
「Dianaは2年前から作り始めたモデルで、小さくて薄いことがコンセプト」とジョー・スキビンスキ氏が語ったように、本機の重量は330g、そして能率91dB、インピーダンスは40Ωと『AB-1266 Phi』と比較すればかなり扱いやすいモデルに仕上がっている。カラーはブラック・オニキス、アークティック・ホワイト、コーヒーの3色となる。彼のイチ推しはコーヒーで確かに他では見かけないユニークなカラーである。ハウジングはアルミ合金でヘッドバンドの一部はドライカーボン製、部品点数を減らすためにマグネット式の長さ調整機構を採用している。
「Dianaのハウジングは薄いので中はギリギリになっています。フレキシ配線の基板とか使って薄くしていますが、何千時間もかけたCADによる設計でギリギリまで贅肉を削ぎ落としました。ハウジングはアルミブロックをCNC切削加工で削り出して、セラミックコーティングで仕上げています」とスキビンスキ氏。軽量化のためにカーボンも使われ、ヘッドバンドは内部にスプリング効果のあるスチールバンドが入っている。モバイル対応と言ってもオープン型なので電車の中で使えるわけではなく、彼によれば上質なDAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)があれば旅行に持ち出して楽しめるモデルという意味で、ケーブルはφ3.5mmのステレオミニ端子付き1.5mが付属する。
500gのアルミブロックからコンピュータ制御で削り出されるハウジング。
ドライバーとケーブル用端子は専用のフレキシケーブルで接続。スリムで完全にシールドされており経年劣化の心配がなさそうだ。
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