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2018.04.17

最近のフリーランスに関する報道について思うこと

■連載/あるあるビジネス処方箋

 今回は、フリーランスについて考えたい。最近、働き方改革が進むにつれて、あらためて注目されている。一部のビジネス雑誌や経済雑誌、若い層を読者層に抱えるニュースサイトなどが、フリーランスを「第3の生き方」などと称える。それらの報道によると、「フリーランスは会社員でもなく、労働組合の組合員でもなく、新時代を切り開くパイオニアなのだ」という。確かに、ITや翻訳・通訳などの分野を中心に、組織に属さず、個人で活動する事業形態、つまり、フリーランスが存在していることは事実である。その数が増えていることも事実なのだろう。

 しかし、メディアが、何かを報じるときに一断面だけをことさら強調することは好ましくないように私には思える。フリーランス13年目になる私が、フリーランスに関する記事を読むと「組織に属さず、個人で活動する事業形態」に目を奪われ、事実とかけ離れたほどに美化したり、誇張していたりしていると思える記事も少なくない。これらを真に受け、会社員を辞めて、フリーランスになる人は少ないのだろうが、必要以上に感化されると安易な選択をして、後々、取り返しのつかないことになりかねない。そこで今回は、私が目にしたフリーランスに関わる報道について思うことを紹介したい。

●お金に関しての情報が足りない

 まず、次のデータを取り上げたい。中小企業庁委託「小規模事業の実態把握調査~フリーランス事業調査編」(2015年2月、(株)日本アプライドリサーチ研究所)によると、フリーランスの「手取り年収」、「貯金」の金額はそれぞれ「300万円未満」までとする回答が約6割を占めていた。なお、貯金の金額については、「100万円未満」とする回答が約4割を占めている。

 この結果を踏まえると、本来、お金に関しての情報は必須のはずである。ところが、情報が極めて足りない。たとえば、月収や年収、さらに住居(家賃)や光熱費、通信費、交通費、社会保険料など、生命保険や損害保険、車などのローン、貯蓄、家族の養育費などだ。フリーランスの多くは自営業なのだから、お金に関する情報が少ないこと自体、記事として説得力がないと私は思う。

 お金についての記述は、自己申告だけではリアリティーに欠ける。たとえば、源泉徴収票や家賃などの各種の支払いを表した明確な根拠を記事に何らかの形で盛り込むことが必要ではないだろうか。それらすべて公にすることはできなくとも、生活の中心になっている月収や年収、住居や光熱費、通信費、交通費、社会保険料、生命保険や損害保険などの支払いの根拠は必要である。これらに関しての記述は、少なくとも3年ほどにわたるものであることが望ましい。1~2か月の収入と支出だけでは、説得力に欠ける。

●私生活

 お金に関する記述を正確にしていくと、おのずと生活状況が見えてくる。たとえば、住居は首都圏か、地方か、それとも海外か…。持ち家か、賃貸マンションか。独身か、結婚をしているか。子どもがいるか否か。いる場合は何人で、年齢やある程度の学歴…。夫婦ならば共働きか。共働きならば、それぞれの収入や財産、親からの遺産など。これらも可能な限り、公にしたい。

 ほとんどの会社員もまた、お金の問題にどこかのタイミングで何らかの形でぶつかる。そして、現実的に考えるとフリーランスにはなれないと判断し、不満を抱え込みながらも現在の職場に残る人が多いのではないか。退職したとしても、収入がない以上、早めに次の職場を見つけなければいけない。

 多くは、このようなリアリティーの中で生きている。本来、フリーランスに関して報じる場合、こういう会社員の実情や実態を心得たうえで記事を書くべきではないのだろうか。ところが、私が20代の頃(1990年代)から、フリーランスに関しての記事やビジネス書を読むと、ほとんどない。一貫して、事実とかけ離れたほどに美化したり、誇張しているように私には見える。

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