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木の香りとぬくもりを感じる伊勢神宮の御山杉で作られた御朱印帳

2018.04.15

■「金稼ぎは面白くない」

「この試作品は、ちょっと面白くないかな。こっちのほうが面白いと思うんですけど、どうですか?」

 世古氏は様々な試作品をテーブルに出し、筆者に何度もそう問うた。

 この人物の口からよく出るのは「面白い、面白くない」という言葉である。これが世古氏の経営者としての価値観、判断基準を表しているのだろう。

「会社の従業員や地域の人たちが満足できる仕事が面白いと思います。ただ単に金を稼ぐだけの仕事は……面白くないですね」

 世古氏曰く、金稼ぎは「キリがない」とのこと。

 一度火がついた欲望は、常に無量大数を求める。冷静に考えれば、この世に無量大数のものというのはまず存在しない。株だろうと仮想通貨だろうと、すべての銘柄に「天井」がある。

 だが「金が欲しい」という人の欲望は最終目標を持たず、何千億円稼ごうがその心は満たされない。世古氏はそれを「面白くない」という言葉で切り捨てる。

 木材という、数に限りのあるものを取り扱っているからこその発想なのかもしれない。

■「動的なもの」を作る

「我々は日常で使えるものを作ります。木彫りの置物とかはね……もうそんなものを家に置く時代じゃないですよ」

 世古氏のその言葉が表す通り、世古林業の製品はすべて「動的」なものである。

 財布も御朱印帳も、使用者が活発に歩き回りながら手に触れるものだ。一方で、木彫りの置物などはそもそも頻繁に触るものではないし、ミニマリストが台頭する現代では「静的」なものの需要は確実に減っている。

 しかし、業者がその現状を理解せずに置物ばかりを作っていると、やがては木材加工に関する伝統技術が失われていく。自由市場は状況を理解しない者に対しては、非常に厳しく冷淡だ。

 だが、木材が決して「時代遅れの材質」ではなく、むしろ合理的かつ機能的な材質として消費者に再認識させられるとしたらどうだろうか。

■木の香りを味わう

 木の匂いと温もりを伝えていきたい、と語る世古氏。

 とくに世古氏が気を払っているのは、木材ならではの匂い、というよりも香りである。

 鉄筋コンクリートが当たり前になった現代、それ故に都市部在住の者が木の香りを味わう機会がなくなった。筆者はライターとして、時折「これをどう伝えたらいいのか」という壁に突き当たる。味覚と嗅覚に関することは、その最たる例だ。

 修行不足の筆者では、伊勢神宮の御山杉の香りを文章で再現することはできない。だからこそ、物理的な方法でそれを伝えるエバンジェリストが求められるわけだ。

「アロマオイルという手段もあるんですけど、それじゃ説得力がない。結局は『混ぜものが入ってるんじゃないか』って思われますから」

 最良の手段は、本物の木で作った製品を提示することである。木はこれからも、我々にとっての重要な材質であり続けるだろう。

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