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新生西野JAPANがミラクルを起こすために必要な3つの条件

2018.04.11

■鍵を握るのは大迫、蛍、元気、ゴリの中堅世代だ!

 この例から言えるのは、大会直前の大手術次第で16強入りは決して不可能ではということ。事前合宿の3週間を有効活用し、選手のコンディションをトップに引き上げ、チームの戦い方と意識を統一させられれば、少なからず希望は見えてくるのだ。西野監督がハリル流のタテに速いサッカーを踏襲するのか、ボールを支配するスタイルに転換するのか、それとも岡田流の超守備的采配に打って出るのかは定かではないが、とにかく1つの方向を決めて徹底的にやり抜く覚悟を持つことが肝要だ。岡田ジャパンのサースフェー合宿はそれだけの成果を挙げている。西野新監督にもその経験値を最大限生かしてほしい。

 8年前、戦い方を変えるきっかけを作った闘莉王のように、歯に衣着せぬ発言のできる選手が出てくることも重要ポイントだ。南アの代表メンバー23人を見ると、最年長の川口能活(相模原)が34歳、最年少の森本貴幸(福岡)が22歳で、闘莉王はちょうど中堅。南ア本番で試合に出ていた松井大輔(横浜FC)、大久保、阿部、長谷部、駒野友一(福岡)、川島といった面々も同世代だった。仲間の力強い後押しを受けたから、闘莉王も思い切った発言ができたのだろう。

 現在の日本代表に置き換えてみると、大迫勇也(ケルン)、原口元気(デュッセルドルフ)、山口蛍(C大阪)、酒井宏樹(マルセイユ)が中堅世代。その中にチームの流れを作れるカリスマ性を持った存在がいるかどうか。それが成否を左右すると言っていい。

 闘莉王の浦和時代の後輩にあたる原口などは、もともと自分の意見をハッキリ言うタイプ。ドイツに渡り、結婚してから優等生になったイメージはあるが、こういう時こそ、素の自分を出していい。父・一(はじめ)さんも「元気はいずれ海外に出ていくと思って、子供の頃から枠にはめずに育ててきた」と話していたことがある。その日本人離れしたメンタリティを大舞台で示してほしい。

 もう1つのポイントは、南アでゴールを挙げた本田と岡崎、サミュエル・エトオやエルイェロ・エリアら相手エースを完封した長友佑都(ガラタサライ)のように若手が大躍進を遂げること。それも停滞感打破には不可欠な要素だろう。

「南アの時、圭佑とか僕が出てきたように、ホントにギラギラした選手、『自分がやるんだ』『代表を引っ張るんだ』という強烈なパーソナリティを持った若手が出てこないといけない。それが今はまだいない。みんな足元はうまいし、技術はあるけど、そこがまだ見えてこない。若手の突き上げなしに日本サッカーの今後はあり得ないし、日本がワールドカップに行けない状況も正直、起こるかもしれない」と長友も警鐘を鳴らしていた。

 3月2連戦の時も、あえて苦言を呈するのは長谷部、本田、長友といった3度目のワールドカップを目指すベテランばかり。20代前半の三竿健斗や植田直通(ともに鹿島)や久保裕也(ヘント)らは内に秘めた闘志は感じさせたものの、周りを動かすパッションやアクションは示せなかった。本大会で一層の底上げを図るためには、堂安律(フローニンゲン)や久保建英(FC東京)のような10代選手抜擢も含めてチーム編成を再考すべきかもしれない。新監督にはそれができるはずだ。

 とにかく、8年前の再現を狙うなら、直前合宿での戦い方の統一、中堅世代の発言力拡大、若手の躍進という3条件を満たすことが肝要だ。新生・西野ジャパンにミラクルは起こせるだろうか…。

西野朗新監督/にしの あきら
埼玉県浦和市出身の63歳。柏レイソル、ガンバ大阪、ヴィッセル神戸、名古屋グランパスの監督を歴任。Jリーグでの実績は誇れるが、海外経験がほとんど無いことが危惧される。

元川悦子<もとかわ えつこ> 
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

■連載/元川悦子「ロシア戦記」

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