日本でのワールドカップ10代出場は98年フランス大会の小野伸二(札幌)だけだが、世界を見渡せば珍しいことではない。2006年ドイツワールドカップに挑んだイングランド代表でも、代表実績皆無の17歳のテオ・ウォルコット(エバートン)を抜擢した例もあり、将来を考えても若手登用は意味あることだ。
崖っぷちに追い込まれたハリルホジッチ監督にはもはや失うものはないのだから、そのくらいの大胆選考をしてもいいはず。新たな起爆剤になってくれる個の打開力あるアタッカーの招集を今、改めて強く望む。
伊藤純也(上)の圧倒的「スピード」、堂安律(下)の圧倒的「個人技」がロシアでは求められる。 Photo:GETTYIMAGES
元川悦子<もとかわ えつこ>
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。
■連載/元川悦子「ロシア戦記」