
東京下町の桜の名所といえば隅田川沿岸。この景色を船から愛でる方法はいくつもあるが、名物の屋形船は貸切が中心。乗り合いでも食事付きでお値段1万円クラス。優雅に時間を過ごせる分、早めの予約と資金が必要だ。
一方、もっと安価に、運がよければ当日その場で乗ることができるのが水上バス。浅草周辺への移動の足として使える利点もある。
■隅田川といえば水上バス
現在、隅田川を定期運航している水上バスは、東京都観光汽船と東京水辺ラインの2社。それぞれの特長と桜の季節の楽しみ方をご紹介すると……。
(東京都観光汽船)
発着の基点となるのは、吾妻橋の浅草側にある「浅草」。銀座線・東武線浅草駅のすぐ目の前というアクセスの良さが自慢だ。乗り場周辺は対岸のスカイツリーやアサヒビール本社、隣のスーパードライホールの撮影スポットでもある。
船はここから「日の出桟橋」、「お台場海浜公園」、「浜離宮」、「豊洲」などに定期運航している。使用する船はアーリーアメリカン調の竜馬(約300人乗り)や、松本零士デザインのホタルナ(約120人乗り)など、ユニークなタイプも多く、観光を意識した仕様だ。
*「浅草」~「日の出桟橋」の所要時間は約40分、780円。
(東京都水辺ライン)
発着の基点は、従来の「両国」が長期工事に入ったため、上流の「墨田区役所前」に変わった。そこは東京都観光汽船「浅草」のほぼ対岸にあたり、川を挟んで2つの会社の乗り場があると考えればいいだろう。
所有する船はいずれも屋根が低いタイプで定員は140~200人。窓を広く取り観光を意識したデザインになっているものの、災害時などに水上輸送等の役割を担う防災船でもある。
隅田川を利用する定期運航ルートは「墨田区役所前」から少し上流の「浅草寺二天門前」を経由し、「お台場海浜公園」まで。*「葛西海浜公園」発着場もあるが、本年3月末まで工事中。
*「墨田区役所前」~「お台場海浜公園」の所要時間は約65~80分、1130円。
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