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2018.04.03

〝想い出の土〟を練り込んで作る京焼プロジェクト『TAMATE』

 沖縄県立首里高校は、1958年の夏の甲子園に出場している。

 その際、選手たちは甲子園の土を持ち帰ろうとした。ところが当時の沖縄はアメリカ統治下の地域である。土が検疫に触れてしまい、やむを得ず海に捨てることになった。

 それを聞いた日本航空の客室乗務員が、検疫対象外の甲子園の小石を首里高校に送った。この石は現在も同高校内にある記念碑にはめ込まれている。

「思い入れのある場所の土を拾う」というのは、日本人独特の感性である。土に何かが詰まっている、と信じているからこそそれを拾うのだ。もちろん、土の中に砂金があるとかダイヤモンドの原石があるというわけではない。換金できない価値観が土の中にある。それは目に見えないが、確実に存在するものだ。

 土に価値観を見出す。こんな特殊な感性の民族は、他に存在しない。

■「想い出の土」を陶器にする

 16世紀、世界は「大航海時代」に突入していた。その一方で日本は、室町幕府の弱体化から端を発する戦国時代を迎えていた。

 その頃に日本へ来航した宣教師ルイス・フロイスは、こう書き残している。

「日本人は土でできたものを、貴金属や宝石と同等に扱う」

 ここで言う「土でできたもの」とは、陶器を指す。当時の日本では、名器ひとつは城ひとつに値すると言われるほどの「陶器ブーム」が巻き起こっていた。小さな茶碗で諸大名が争いを繰り広げることもあった。

 日本は金銀銅の産出に恵まれた土地なのに、なぜそれを陶器などと引き換えてしまうのか。フロイスを始めとするヨーロッパ人は頭を抱えた。

 しかしこれこそが、日本人の文化的アイデンティティーの核心部分と言えるのかもしれない。

 さて、クラウドファンディング『Makuake』にこのようなプロジェクトが出てきた。京都で作られる焼き物、いわゆる京焼の製作プレオーダー企画だ。

 だが、京焼の茶碗や湯呑みなどが直接出資者に送られてくるというわけではない。出資者はまず、器にしてほしい土をプロジェクト実行者に送り、そこから職人が作品を焼くという仕組みだ。

 出資者にとっての「想い出の土」を器にする、というプロジェクトである。

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