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2018.02.10

【開発秘話】2017年末までに222万ケースを販売したサントリーの新ジャンル『頂』

■連載/ヒット商品開発秘話

 ビール類のアルコール度数といえば5%前後が一般的だが、最近、飲みごたえのある高アルコールタイプが相次いで登場している。この流れをつくったといってもいいのが、サントリービールの新ジャンル(第三のビール)『頂〈いただき〉』だ。

 2017年7月に発売になった『頂』のアルコール度数は、発売当初は7%だったが、2月のリニューアル発売で8%にアップ。コクと飲みごたえが実感できる上に、飲みやすく仕上げた。350ml缶と500ml缶の2種で展開。2017年末までの販売実績は222万ケース(1ケース:633ml×20本)で、350ml缶換算にして8000万本になる。

■開発コンセプトは、「ビールに一番近い新ジャンル」

『頂』は完成までに約3年の時間を要した。誕生には次のような背景があった。

 まず挙げられるのが、缶チューハイのようなRTD(Ready To Drink)で「ストロング系」と呼ばれる高アルコールタイプが売れるようになったこと。2014年頃から、アルコール度数が7%を超える缶チューハイなどの売れ行きが急激に伸び、市場を拡大した。『頂』の開発を担当したブランド戦略部の三谷京平氏はこの現実から、「高アルコールの飲みごたえというニーズは、ビール類にも存在するのではないか?」という仮説を立てた。


サントリービール
マーケティング本部
ブランド戦略部
三谷京平氏

 同社が高アルコールの新ジャンルに対する興味を調査したところ、「興味がある」「とくに興味がある」と回答したのは全体の40%。「とくに興味がある」と回答したのは、全体の20%であった。40%の人が新ジャンルの高アルコールに興味を示したということは、期待を抱かせるのに十分な結果であった。

 また、新ジャンルに対する進化の期待も、『頂』の開発背景にあった。味のレベルは徐々に上がってきたものの、ビールと比べればまだ「薄い」「物足りない」といった不満が潜在していた。

 以上のようなことから『頂』は開発されることになったが、社内の反応は思わしくなかった。なぜなら、過去に高アルコールの新ジャンルでうまくいかなかったことがあったからだ。

 実は、同社は2009年に『ジョッキ生8 クリアストロング』というアルコール度数8%の新ジャンルを発売したが、販売面で振るわなかった。この苦い経験から、社内の多くが『頂』の商品化に対しては慎重姿勢であった。「過去に失敗していることもあり、『ビール類に高アルコールのニーズはないのではないか』という意見が大半を占めました」と三谷氏は話す。

『ジョッキ生8 クリアストロング』が振るわなかったのは、スッキリした味わいのままアルコール度数を高め、アルコール特有のクセや強い刺激が目立ってしまったから、と考えられた。特有のクセが継続して飲み続けるのを難しくしており、リピートにつなげることができなかった。

 この反省を踏まえ、『頂』はスッキリとした味わいではなく、コクが豊かな味わいにした上で高アルコールとすることに。開発コンセプトは、「ビールに一番近い新ジャンル」になった。

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