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2018.03.28

困っている人を見かけると素通りできない人の心のメカニズム

 明らかに道に迷っている風であったり、バッグの中の物を路上に散乱させてしまっていたりする人物を街で見かけた場合、あなたは助けの手を差し伸べるだろうか。それが「余計な親切」にならないのかどうかはケースバイケースだが、ついつい手助けしてしまいがちな心優しい人物の心理学的メカニズムが最新の研究でつまびらかにされている。

■見知らぬ人にも親切な人々は友人に恵まれている!?

 何かにつけて悲観的な思考をしがちな人や、心配性の人々も確かに存在する。しかしあえてドライな言い方をしてしまえば、どんなに悲観的であっても自殺をしないで生き続けている限り、わずかではあるにしても将来に何らかの希望を見出していることになるだろう。

 そして実際、社会生活を送る多くの人々には一般的に楽観主義バイアス(Optimism bias)が備わっているとされている。楽観主義バイアスとは漠然とした将来に対して「何とかなるのだろう」、「自分だけは大丈夫」と感じる基本的な思考スタイルである。

 そしてこの基本的な楽観性は、学習においてはポジティブな物事や出来事からはより強い影響を受ける一方、ネガティブなものは無視して影響から免れようとする傾向にも通じている。これを「グッド/バッド・ニュース効果」と呼ぶ。ロンドン大学とオックスフォード大学の合同研究チームが先ごろ、「Psychological Science」で発表した研究では、人間が持つこうした基本的な楽観性が他者の扱いにどう影響しているのかを探った実験を報告している。


Science Daily」より

 人が基本的に楽観主義者であるとはいっても、富をはじめとする諸条件によってその程度は違ってくるのはある意味で当然だ。一般論として貯金額が多かったり仕事が順調であったりすれば、そうでない人よりもより楽観的になれるだろう。こうした違いは他者を扱う際にもあらわれてくるのかどうか、研究チームは1100人もの実験参加者に対して5つの実験を行なってこの問題の解明に取り組んだ。

 実験では例えば、参加者に友人の不幸を想像してもらった。旅行中に荷物を紛失したり、がんに罹ったり、重要な会議に出席できなかったりというような、友人の生活上の不幸をイメージしてもらってから、個々の具体的な“不幸”がどの程度の確率で起り得るものなのかを評価・採点してもらったのだ。

 こうして友人の不幸を「人ごとではない」ものとして共有した参加者に、研究チームはその友人に個々の不幸が起り得る実際の確率を伝えたのだ。参加者は伝えられた友人の個々の不幸について、それが自分の見込みよりも高かったのか低かったのかに一喜一憂することになる。グッドニュースとバッドニュースをそれぞれ味わうのだ。

 この一連のプロセスを体験してもらった後、再び参加者は友人の不幸について、それが起きる可能性を評価・採点した。こうして収集したビッグデータを分析したところ、他者(友人)についても楽観主義バイアスが働いていることが明らかになったのだ。つまり友人のグッドニュースを聞かされた案件ではより楽観が強まっていたのである。

 これを代理楽観主義バイアス(Vicarious optimism bias)と名づけ、この値が高い人物は友人はもちろん、困っている見ず知らずの人であっても支援の手を差し伸べる可能性が高いということだ。友人から良いニュースを良く聞かされている人物は、困っている人を見かけてそのまま見過ごすことはできないということになる。どうらやら街中の親切な人々は友人に恵まれている存在であるようだ。

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