■引き継ぎの際に取り入れたい4つのこと
金森さんによると、実際に引き継ぎを行う際には、次の4つのことに気を配ると良いそうだ。ぜひ実践してみよう。
1.すべてにおいて相手目線で考える
「自分では簡単に思える業務でも、初めて行う人にとってはむずかしく、混乱することがあるかもしれない、ということを常に頭に置いておきましょう。
一連の引き継ぎに必要な、引き継ぎ文書やノートの作成、口頭での説明、引き継ぎ日程など、すべてにおいて引き継ぐ相手の立場に立って考えることが大切です。また、取引先にも迷惑がかからないよう考えることも忘れてはいけません」
2.仕事の全体像を可視化して記載する
「引き継ぎ文書やノートを作成する際、まずはじめに、仕事の全体像として『概略・目的・流れ・優先順位など』を記し、詳しい説明はその後にするとわかりやすいでしょう。
引き継ぐ相手は、はじめに全体像を把握することによって、その後に続く説明が頭に入りやすくなります」
3.事実は詳しく正確に
「引き継ぎ文書やノートを作成する際、事実は詳しく正確に記すこと。取引実績などはもちろん、過去にトラブルがあった場合は、その経緯や結果、対処法などを詳しく記しておきます。また、数字(金額・数量・年月日など)や名前(人の名前・商品名など)に関する項目は、間違えると業務の混乱を招くことがありますし、取引先の方が関係していると失礼がある可能性もあるため、十分、注意が必要です」
4.所感や意見も伝える
「取引先の担当者や、キーパーソンとなる人の人柄や性格、人間関係など、今後仕事をする上で知っておいたほうが良いと判断した情報も、自分の所感や意見として伝えておくと何かと役立つでしょう」
取材協力
金森たかこさん
マナー講師・話し方マナーコミュニケーション講師。ウイズ株式会社社長。
ヒロコマナーグループ代表西出ひろ子に師事し、京都を拠点に全国の企業や学校でマナー指導を行う。「入社1年目ビジネスマナーの教科書」(プレジデント社)は、2017年度ビジネスマナー本売上げNO.1のベストセラーに。テレビ、新聞などのメディアでも活躍中。
ウイズ株式会社 http://www.withltd.com/
取材・文/石原亜香利
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