
ナイフは生活の基本単位である。
キャンプなどのアウトドアの際、まず何が必要かと問われれば筆者は「ナイフ」と答える。とにかくナイフさえあれば、大抵のことはこなせる。逆にそれがなければ、できることは限られてしまう。
それは家庭内でも同様ではないか。料理の第一歩とは、刃物を使いこなすことだ。
この記事でご紹介する『サカナイフ』は、誰でも簡単に魚をさばくことができるという触れ込みで登場した製品である。
■安定の日本製ブレード
開発元のTAPPは、富山県に所在するルアーメーカーだ。代表は漁師経験者で、現在は原型師兼仏師という少し変わった経歴を持つ人物。
その経験を基に、「簡単に魚の三枚おろしができるナイフを」という発想に至ったそうだ。結果、非常に特徴的なブレードのサカナイフという製品が誕生した。
全長は約21.6cm、ブレードは約10.3cm。一度見たら忘れられない面構えで、シャークナイフに近い特徴の刃を持っている。また、先端がアルファベットのJのようになっている点も非常にインパクトが大きい。
このJ型は、魚の腹と背にトレースラインをつける目的で用意されたのだという。波刃の部分は、硬い骨を切断する用途に使う。ブレードの反対側面にはウロコ取りもついている。
サカナイフの製造を手がけているのは、岐阜県関市のジー・サカイである。筆者は関市の刃物職人に取材をしたことがあり、また個人的な趣味としてナイフを蒐集している。ジー・サカイはよく知っている会社だ。
様々な包丁やアウトドアナイフを手がけているだけあり、ジー・サカイの製品は安定した堅牢性がある。サカナイフも例に漏れない。デザイン以上に頑丈な感が見受けられる、というのが筆者の感想だ。