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2018.02.05

携帯電話事業に新規参入する楽天の本当の狙い

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

 スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は楽天の携帯電話事業の参画について議論します。

■楽天の新規参入はアリ? ナシ?

房野氏:楽天が携帯電話事業への新規参入を表明しましたね。これについてどう思いますか?


房野氏

石川氏:なぜこのタイミングなのかが、さっぱり分からない。ドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社が競争し切って、顧客獲得競争は終わっている中で参入しても勝ち目はないと思う。設備投資に6000億円用意しているといっても、それは大手キャリアだったら1年分。お金は足りないだろうし、今から基地局を建てようとしても、いい場所は大手3キャリアに押さえられているので、相当苦しい戦いになると思う。自分のメルマガにも書きましたが、イー・アクセスが売りに出ていた2012年に、買収して参入していたら十分勝負できたと思いますが、あれから5年経ったこの状況だと、うーん……。自分が楽天の三木谷さん(楽天の代表取締役会長兼社長、三木谷浩史氏のこと)の側近だったら、全力で止めていると思います。6000億円あったら、今の楽天モバイルをいろいろ強化した方が、お金の使い方としては正しいような気がします。


石川氏

石野氏:楽天の参入表明にはびっくりしました。1.7GHz帯をもらえる最後のチャンスではあるので、手を挙げたのも分からなくはないけど……いや、分からないな。資金調達額が6000億円は、実際、もうちょっと増えるとはいえ、楽天がいくら現金を持っているかという話もあるし、2倍になるという話はないと思うので、6000億に近似する金額で投資していくんだろうなと。イー・モバイルのときより設備がこなれていたり、3Gをやらなくていいという話もあったり、そうすると設備投資は若干、軽くはなるんですけど、うーん……。イー・モバイルには千本さん(イー・アクセスの創業者、千本倖生氏のこと)という、通信に非常に詳しい専門家、通信ベンチャーの風雲児みたいな人がいた。脇を固めていたのもエリック・ガンのような、通信業界を熟知した人たちで、それでもあそこまでが限界だった。楽天がどこまで行けるか疑問がありつつ、とはいえ三木谷さんも馬鹿ではない。そこは分かっているだろうと信じたい。MVNOと絡めるとか、いろんなやり方があるとは思います。HLR/HSS(加入者情報管理装置)を持って、自社網とドコモ網とをくっつけたり、石川さんがメルマガで書いていたようにDSDS(Dual SIM Dual Standby)端末を使うとか、そういう搦め手をとってきたら面白いとは思います。さすがに大手キャリアを倒せるレベルまでにはならないと思いますが、Y!mobile対抗という意味合いで、今までのキャリアにない技を繰り出してくるんだったら結構面白いなと思います。まあ単純に、新規参入によって我々に執筆依頼がどんどん来るので、LINEもイオンもぜひ参入してもらいたい(笑)


石野氏

石川氏:気になるのは、裏で政府主導説があること。楽天の三木谷さんと菅官房長官が結託して話を進めているんじゃないか、みたいな話がある。実際、総務省の野田聖子大臣の発言は、結構慎重です。現場に行っていないので分からないけど、紙面を見る限りではトーンが低い。第4のキャリアが出て歓迎というよりも、やるならちゃんと全国でネットワークを展開しなさいよ、という感じ。総務省としては格安スマホ、MVNOを推したい感じがある。突然、降って湧いた新規キャリア参入で、官房長官辺りと総務省で温度差があるように感じます。そういうこともあるので、本当にこのまま免許を取って参入するのか、まだ分からない。過去には、免許を取ってからやめてしまった会社もあった。まだ一筋縄ではいかないんじゃないかなと思う。

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