
学校で教える内容を定めた学習指導要領が2020年、小学校を皮切りに改訂される。およそ10年ごとに改訂されており、過去には「ゆとり世代」を生むなど、社会的影響はもちろん大きい。
次の改訂では〝知識を活用する力〟の育成を重視。ディベートやプレゼンが授業に盛り込まれ、主体的に学ぶ姿勢、考える力を育む狙いだ。それに先んじて導入されつつあるのが、それらの力を評価する基準〝ルーブリック〟である。
「主体性や思考力といった能力は評価するのが難しいものです。そこで、評価基準を定義したルーブリックを使います。欧米ではすでに教育現場で広く使われています。例えば、成績は悪くても、学校行事でリーダーシップを発揮する生徒がいるとします。その生徒のペーパーテストでこぼれてしまう部分、主体性や判断力などの評価ができるのがルーブリックのいいところです」と話すのは、コアネット教育総合研究所の松原所長。
現在、大学や一部の小中高校で作成及び活用が始まっている。大事なのはSランクを取ることではなく、できていないことを習得するにはどうすればいいか、考えられるようになること。次の指導要領改訂が、大改革の第一歩となる。
〈DIMEの読み〉
この教育を受ける世代は2030年代に社会に出てくる。主体的に学ぶことが得意な世代と共に働くことになれば、DIME世代も負けじと新たな力が必要かもしれない。
指標をまとめた表を「ルーブリック表」と呼ぶ。今は各校で作成されているが、今後、公的に標準ルーブリックができる可能性も。
コアネット教育総合研究所所長・松原和之さん。2000年よりコアネット教育総合研究所主席研究員、2003年より同所長。
文/編集部
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