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2018.01.29

ゲームのジャンルによって好影響を与える脳への効能

 野球漫画の“剛速球”には尾を引くような線が何本も描かれてその速球ぶりが表現されているが、当然のことながら現実の風景にそのような効果表現は見えない。しかしながらその時のコンディションや対象への注目度によっては、見えている世界はかなり違ってくることが指摘されている。

■物の見え方は条件次第でかなり異なる

 まぶたを開いていれば周囲の光景は否応なく目に入ってくるが、興味を惹かれた何かに注目している時は、ボンヤリ眺めているのとはまた違った見え方がしていそうだ。

 米・コロラド州立大学の研究チームは、80年代のシンプルなビデオゲーム「ポン(Pong)」を使った実験で、我々の行動が物事の見え方に影響を及ぼしていることを報告している。

 研究チームのリーダーであるジェシカ・ワット准教授のこれまでの研究では、プレイ中の野球選手にはボールが実際よりも大きく見えていることや、疲れていたり重いリュックを担いでいる人には同じ上り坂でも傾斜が急に見えたりすることが報告されている。つまり当人の行動や状態が物事の見え方に影響を及ぼしているのだ。

 しかしこれらの実験には疑いの目も向けられていた。それは実験の目的が察しやすいために実験参加者は意識的であれ無意識的であれ、研究チームが期待している回答をする傾向が高まっているのではないかという疑惑である。

 例えばリックを背負わされてから上り坂の映像を見せらると、ある程度の洞察力があれば荷物と上り坂の関係性を探る実験であることは容易にわかるだろう。そこで上り坂の勾配を尋ねられると、最初は20度くらいには見えても少しばかり“盛って”しまい、25度などと答えたりするのだ。こうした実験参加者の心理は反応バイアス(response bias)と呼ばれている。


Colorado State University」より

 なるべく反応バイアスを抱かれないかたちで実験ができないものか考えたワット准教授は、1980年代のクラシックなビデオゲーム「ポン」を使って参加者に目的を悟られ難い手法で実験を行なった。

「ポン」は卓球やテニスをシミュレートしたゲームで、飛んでくるボールをラケットで打ち返すというシンプルな動作で競い合う。実験参加者はこのゲームを何度かプレイした後にボールがどのくらい速かったかを質問されてそれぞれ回答した。そして実はプレイごとにラケットの大きさが異なっていたのである。

 収集した回答を分析した結果、実のところどのゲームもボールのスピードは同じであったのだが、ラケットが小さい時のゲームでボールのスピードが速いと回答している傾向が明確に浮かび上がった。つまりラケットが小さくなり、ゲームが難易度が高まるとボールが速く感じられてくるのだ。

 またプレイ中にラケットの大きさの変化に気づいた者であっても同じように小さいラケットの時にボールが速いと回答する傾向にあった。加えて察しの良い実験参加者の中にはこの実験の目的を見抜いていた者もいたのだが、これもまた回答の傾向の大勢には影響していなかった。

 漫画やCG表現のような“エフェクト”はかからないものの、我々の物の見え方には条件次第でかなり違ってくることが指摘されることになった。となればぜひとも“後光”が差すような人物になりたいものだがいかがだろうか。

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