人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

数十年後に大きな差を生む?日米欧の金融資産の考え方の違い

2018.01.24

 次に、同じ資料から「各国の家計金融資産の推移」を見てみましょう。


出典:FRB、BOE、日本銀行資料より、金融庁作成

 1995年~2015年の20年間で、家計金融資産は日本は1.47倍しか増えていないのに対し、アメリカは3.11倍。イギリスでも2.27倍も増えているのです。この違いの主な要因は「運用先の違い」だといえるでしょう。日本ではほとんど金利のつかない銀行預金や国債による運用が多く、アメリカやイギリスでは株式や投信を積極的に取り入れた資産運用が多い。つまり、日本人は資産を「持っておくもの」と考え、欧米では「運用するもの」だと考えており、その違いが数十年経つと、大きな違いとして表れているのです。

 そして、この違いは決して「国民性の違い」だけにあるとは、私は思っていません。たとえばアメリカでは早くから確定拠出年金制度が整っていますし、イギリスにもNISA(少額投資非課税制度)のモデルとなったISAという制度があります。これらの制度がきちんと整備され、国民に周知徹底されているからこそ、これらの国の金融資産はしっかりと増え続けているのです。

 ちなみに勤労所得(働いて得た所得)と財産所得の割合は

・アメリカ 3:1
・日本 8:1

 となっていて、ここからも日本人の財産所得がいかに少ないかが分かります。

 もちろん、一生懸命働いて、その対価として収入をもらい、そのお金で生活する……ということは決して悪いことではありません。ただ、お給料と銀行の定期預金だけをメイン資産として一生を過ごすというのはバブル崩壊前の「働けばお給料が右肩上がりに上がっていた」時代だからこそ成り立っていたこと。終身雇用がなくなり、給料が上がらず、さらに消費税や所得税、社会保険料がどんどん高くなっている現代において、果たして「正しい資産の持ち方・運用方法」だといえるでしょうか?

 政府も日本の金融資産が増えていないことには危機感を抱いているようで、金融庁がこうした資料を発表し、さらにiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA、さらに今年からは積立NISAなどもはじめることになったのが、その何よりの証左といえるでしょう。

 しかし、たとえばNISAがはじまった時に各金融機関がこぞって顧客に口座開設を勧めていましたが、じつはその半分以上が非稼働口座だと言われています。つまり、口座を作ったはいいけれど、実際に何をすればいいのか分からないという人が非常に多いということ。国も「制度は作ったから、あとはよろしく!」ではなく、もっと国民一人一人にわかりやすく、これらの制度のメリットなどを伝える努力が必要だと、私は思っています。

 もちろん、私たちも資産運用について、これからは積極的に学ぶ必要があるでしょう。そして、ひとりひとりが意識を持つことで、日本の資産状況は変わってくると思います。

 そこで次回は資産運用の第一歩として、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA、積立NISAについてのメリット・デメリットを私なりに解説したいと思います。

取材・文/近藤正樹(こんどう・まさき)

IFA(独立系フィナンシャルアドバイザー)としての知識と経験を元に、舞台俳優時代に培ったエンタメ精神をミックスしたセミナー『お金の小学校』が好評。スタンダップコメディや音楽とのコラボセミナーは、はじめて投資を学ぶ方に特にオススメ。

新型コロナウイルス対策、在宅ライフを改善するヒントはこちら

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2020年11月16日(月) 発売

DIME最新号の特別付録は「8.5インチ デジタルメモパッド」!特集は「GoToトラベル完全攻略」「ベストバイ2020」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。