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2018.01.21

なぜ他人の体臭には敏感になってしまうのか?

 何か特定の匂いに気づいた時、懐かしさを感じることがあるだろうか。あるいは懐かしさがこみ上げてくるものの、その対象が具体的に思い出せない場合もあるかもしれない。こうした“懐かしい匂い”がサイエンスによって紐解かれようとしているようだ。

■匂いで思い出される“強烈な体験”

 海辺の潮風の香り、雨が降る直前のアスファルトの匂い、サンオイルの香り、あるいはまた夕刻の住宅街で漂ってくる家庭料理の匂い……。引き金になる香りは人それぞれだが、匂いがきっかけになってかなり昔の出来事を思い出すことがあるが、これはどういうメカニズムで起っているのだろうか。

 ドイツ・ルール大学ボーフムの研究チームが先日、脳科学系ジャーナル「Cerebral Cortex」で発表した研究は、匂いと長期記憶の関係を探る興味深い内容になっている。

 これまでの研究では嗅覚に関係している脳内の部位である梨状皮質(piriform cortex)は、匂いの短期記憶を蓄えていることがわかっている。同研究では梨状皮質に短期的に保持された匂いの情報がはたして長期記憶になり得る可能性があるのかどうかを確かめる実験が行なわれている。

 記憶が形成される際に一役買っているのがシナプスの可塑性(自由自在さ)である。シナプスの結びつきが変化することで短期記憶が長期記憶にもなり得るのである。そしてこのシナプスの変化を引き起こす電気的刺激のパターンも現在はある程度解明されている。


IBTimes」より

 研究チームはマウスを使った実験で、匂いに関する短期記憶を保持する梨状皮質に長期記憶を生成する電気的刺激が有効であるかどうかを確かめた。その結果、やはり梨状皮質は短期記憶に特化したメモリーであり、電気的刺激では長期記憶を形成することはできなかった。

 しかしながら研究チームは梨状皮質に短期記憶が保持された状態で今度は眼窩前頭皮質(orbitofrontal)を刺激することによって、短期記憶が長期記憶になり得ることを突き止めたのだ。したがって匂いがきっかけで思い出される記憶というのは、脳の眼窩前頭皮質が刺激された現象であることにもなる。

「我々の研究で梨状皮質が実際に長期記憶のためのアーカイブとして役立つことを示しました。しかしそのためには脳の上位指揮系統である眼窩前部皮質からの指示を必要とします」(研究論文より)

 ということは匂いをきっかけにして思い出される物事や出来事は単なる感覚の記憶ではなく、強い印象や体験を受けたものに限られてくることになる。良かれ悪しかれ“強烈な体験”ということになるだろう。諸兄は何の匂いでどのような体験を思い出すだろうか。

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