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2018.01.15

携帯電話に出ないと「著しく礼を欠く」行為になるのか?

■連載/あるあるビジネス処方箋

 大相撲協会の騒動は、一応の決着をつけたかに見える。新聞・テレビなどの報道によると、騒動の最中、貴乃花親方は大相撲協会の八角理事長からの再三の電話に返答しなかったようだ。記者会見で、日本相撲協会評議員会議長の池坊保子議長が貴乃花親方のことをこう指摘した。

「上司であり、先輩でもある八角理事長が何度、携帯電話に連絡しても応答なく、折り返しの電話もない。著しく礼を欠いていたのではないかと思います」。

 この発言をめぐり賛否両論があったが、今回は携帯電話に出て対応しないことがある私の経験を交え、ビジネスの処方箋を考えたい。

■「話し合い」は本当にできるのか

 貴乃花親方は通常は携帯電話を使い、八角理事長に限らず、大相撲協会の関係者らと意思疎通を図っていたはずだ。なぜ、今回は電話に出ようとしなかったのか。私は、貴乃花親方は八角理事長とは「深い会話ができない」と判断したのではないか、と思う。

八角理事長が理事長という立場上、協会側の考えを説明し、説得することは止むを得ないだろう。そこに貴乃花親方は一定の理解をしながらも、おそらく「協会の立場を押し付けるはず」と感じ取ったのではないだろうか。言い返せば、理事長と言い争うことになりかねない。そこまで考えて、携帯電話に出なかったのだと私は見ている。

 この姿勢は、確かに「礼を欠いている」のかもしれない。通常の場合は、好ましくないことだろう。しかし、今回の騒動は、「通常」とは言い難い。深い会話ができない相手と、しかも、論理を押し付けてくる可能性が高いと思える相手と果たして冷静で、建設的な会話ができるのだろうか。

私は、「解決に向けて双方が歩み寄るための話し合いができない」と片方が判断した場合、話し合いをすることには意味がない、と思う。このことが認識されることなく、「話し合い」ことをすることだけが一人歩きすると、今回のように貴乃花親方を一方的に「礼を欠いた人」とレッテルをはりがちになる。

■相手にも問題がある

私はこの12年間、フリーランスのライターとして、90人~110人の編集者と仕事をしてきた。その中で、心底滅入った編集者が30人はいた。経験が浅く、仕事を覚えようとしなかったり、間違った考えやミスを押し付けてくるのだ。これでは、深い話し合いができないと思った。実際に何度話し合っても、会話にならなかった。

こういう場合は、その人からのメールには返信をしないようにした。携帯電話に着信があった場合も、出なかった。それが、双方にとって被害が最も少なくなる解決策なのだと私なりに考えた。実は、その編集者のためでもある。私のこの態度に「礼を欠いている」という指摘ができるかもしれない。しかし、譲歩し合い、歩み寄る姿勢がない人となにゆえに話し合いをするのか、わからない。「話し合う」ことの「合う」意味を心得ていないように思えてならなかったのだ。

「携帯電話に連絡しても応答なく、折り返しの電話もない」ことも問題はあるのだろうが、そのような状況を作った側にも非はないか。まさか、片方が全面的に正しく、片方が全面的に間違いとは言えないだろう。

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