■無駄遣いをなくす対策は?
そこで高山さんに、それぞれの無駄遣いパターンをなくす対策と、その他の対策を教えてもらった。
1.「ちょこちょこ買いの積み重ね」による無駄遣い対策
一度、何にどれくらいお金を使っているのか支出の分析をしてみることが重要です。まずは1ヶ月間で良いので、買い物のたびにレシートを受け取り、食費、日用品などの項目別に集計を。1ヶ月間の支出の分析をしてみましょう。明らかに使いすぎの項目があれば、削減の工夫を。
また、レシートをみて、買う必要があったものには○、どちらでもよかったものには△、買わなくてもよかったものには×をつけます。△と×はある意味無駄遣いともいえるので、△と×を減らせるようなお金の使い方をしましょう。
2.「人に流されてなんとなく買ってしまう」ことによる無駄遣い対策
人に流されないためには、自分の軸を持つことが大切です。まず、自分の価値観をはっきりさせましょう。自分は食べることよりもファッションに興味がある、スポーツをするよりも読書が好きなど、自分が好むものを明確にします。
また、人生を通じた自分の価値観も明確に。例えば、「安定よりも冒険を好む」、「仕事もプライベートも充実させたい」などです。
その自分の価値観に基づいて、お金の使い方を振り返ってみると、価値観以外のところにお金を使っていることが目についてきます。価値観から外れることはしたくないと思うため、無駄遣いがなくなっていきます。
3.「面倒くさがりで現状に甘んじてしまうタイプ」の無駄遣い対策
お金が貯まる人は、マメに行動している人が少なくありません。例えば、定期預金の金利がA銀行よりもB銀行の方が高いと知れば、すぐに預け替えを行うなど、お得な情報を得るとすぐに行動を起こします。
例えば、携帯電話の料金が月2,000円安くなれば、年間で2万4,000円もお得に。10年で24万円もお得になります。面倒くさがりな人は損するケースが多いので、すぐに行動をする習慣をつけましょう。
面倒くさがり対策としては、手帳やメモ帳などを活用することがあります。例えば、携帯電話の料金を見直した方がいいかなと思った場合には、手帳にその予定を書き込んでしまいましょう。
4.その他の対策
無駄遣いを無くす対策と共に、「節税」の知識を身につけると、リスクをとらずにお金を増やすことができます。例えば、「ふるさと納税」をすると、豪華な返礼品がもらえる上に税金が安くなります。このことをきちんと理解していると、「これまでなんとなく好きなものにお金を使っていたけど、ふるさと納税をしたほうがお得になるな」というように、節税できるものにお金を使うように意識が向かいます。無駄遣いをなくし、節約してお金を貯めたい、増やしたいという人は、ぜひ「節税」の知識を身に付けてみましょう。
まずは気づかないうちに無駄遣いになっていないかを振り返ってみよう。もし該当するものがあれば、対策を行い、無駄遣いをなくしたいものだ。
(取材協力)
高山 一恵さん
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
株式会社Money & You取締役
女性の人生に欠かせないお金の知識を伝えるべく、講演活動や相談業務を行っているほか、女性誌「日経ウーマン」「プレジデントウーマン」「Oggi」などにも出演。お金に関する著書は数10冊に及ぶ。主な著書には「やってみたらこんなにおトク!税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)がある。女性を対象に「お金の相談パートナー」が探せる「FP Cafe(R)」を運営。
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取材・文/石原亜香利
※記事内のデータ等については取材時のものです。