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2018.01.11

クラウドファンディングで地球型惑星を探す「プロジェクト・ブルー」

●教訓その1:「商品」ではないプロジェクトの難しさ

キックスターターを訪れる人たちの多くは、「自分もそれが欲しいから、ぜひ商品化してほしい」という願いから、資金を提供する。「ペブルタイム」という名のスマートウォッチが、2千万ドル超の資金を得たのは、ガジェット好きの購買意欲を激しく揺さぶったからに他ならない。対して「プロジェクト・ブルー」は、たとえ実現したにしても、「地球のような青い星が見つかった」という情報のみである点が苦しい。

●教訓その2:不確実性に満ちたゴールという問題

100万ドルの資金は、あくまでもイニシャルコストに過ぎず、実際に打ち上げ用の人工衛星と宇宙望遠鏡を製作するにあたって、さらなる資金が必要になる。2度目の資金調達が不首尾に終われば、元の木阿弥。さらに何もかも順調に進んでも、アルファ・ケンタウリ星系の惑星は「青くなかった」という可能性が残る。また、投入されるテクノロジーの完成度に疑問の声が、外部からちらほら上がっていた。こうした不確実性の大きさが、資金提供者の少なさにつながった。

●教訓その3:過大な目標額の設定

過去の純粋なサイエンス系のプロジェクトを見ると、ほとんどが数十万ドル以下の目標額に設定されている。こうしたプロジェクトの支援にロマンを感じるキックスターター閲覧者の大半は、そのあたりが相場とみなしており、それよりもずっと大きな額となっている本プロジェクトは、はなから無理筋と考えてスルーした可能性が高い。

要は、少々欲張りすぎたのかもしれない。宇宙関連のプロジェクトにお金がかかることは、誰もが認識している。では、自分の懐からいくら出すか、というときに今ひとつ乗り気になれない要素がいくつも見えては、目標額の達成はおぼつかない。それでも33万ドル集まったのだから、「プロジェクト・ブルー」には大きな可能性がある。いったん仕切り直して、数十万ドルのレベルのプロジェクトから再出発するとよいのではないだろうか。

ロマン度:★★★★★
欲張り度:★★★★★
目標額達成の容易度:★☆☆☆☆

ロマンに満ちあふれた計画であれば、難なくお金は集まると考えたのであれば、それは甘い目算であった。キックスターター以外の資金調達方法の検討を含めた、一からの見直しと勝算のあるプランに期待したい。

文/鈴木拓也

老舗翻訳会社の役員をスピンオフして、フリーライター兼ボードゲーム制作者に。英語圏のトレンドやプロダクトを紹介するのが得意。

※記事内のデータ等については取材時のものです。

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