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2018.01.11

クラウドファンディングで地球型惑星を探す「プロジェクト・ブルー」

■連載/鈴木拓也のクラウドファンディング・ウォッチャー

クラウドファンディングで地球型惑星を探せ!「プロジェクト・ブルー」って知ってる?

ほんの10年前まで、地球にすこしでも似た惑星が存在するかどうかは、推測の域を出なかった。それがNASAによるケプラーミッションによって、大きく変わった。5億ドル近くの費用をかけ、2009年に始まったこのミッションでは、宇宙望遠鏡を搭載したケプラー探査機が、太陽系外にある2千を超える惑星を発見した。ただしこのミッションは、より多くの惑星を見つけることが主な目的であり、特定の惑星が地球のような自然環境にあるかどうかを知ることはできない。

そこで、宇宙科学を専門とする有志が、クラウドファンディングの最大手キックスターター上で立ち上げたのが、「プロジェクト・ブルー」と呼ぶ野心的な計画である。計画の立案・実行のメンバーは、SETI(地球外知的生命体探査)協会、マサチューセッツ大学、イェール大学、ペンシルベニア州立大学、アリゾナ大学といった一流研究機関・大学の研究者であり、リーダーは元NASA幹部のジョン・モース博士。プロジェクトの目的は、地球に最も近い恒星系として知られるアルファ・ケンタウリ星系を周回する惑星を撮影すること。もし撮影画像が、薄い青色の「ドット」であれば、ここに大気や海洋があることが示唆され、ひいては生命がはぐくまれている可能性が見えてくる。これまでの調査によれば、その星系の惑星が地球型である可能性は、(ほかの候補に比べ)非常に高いという。

クラウドファンディングで地球型惑星を探せ!「プロジェクト・ブルー」って知ってる?
キックスターターのサイトで公開された「プロジェクト・ブルー」の概念図(一部)

この計画実現の要となるのが、「ダイレクト・イメージング」と呼ばれる先進光学技術。これは、恒星から発せられる光を減衰させ、周辺の星々を確認できるようにするもので、この技術があってはじめて惑星の色を知ることができる。

惑星を撮影するには、宇宙空間に望遠鏡を飛ばす必要があるが、望遠鏡の大きさはコーヒーテーブルに乗せられるほど小さいもので、打ち上げに必要な衛星を合体させても洗濯機程度のコンパクトさだという。

プロジェクトのタイムスケジュールは、キックスターターの他のプロジェクトと比較して長丁場で、実際に撮影できるのは2020~20年頃になるという。

なんとも壮大感のあるプロジェクトだが、クラウドファンドで必要とする資金は100万ドル。これは、初期の工程である事前分析、設計作業、シミュレーションに必要な当座の資金であり、本格的に望遠鏡と人工衛星を製作する段階で、さらなる資金を募ることになる。

結論から言ってしまうと、2016年11月中旬にキックスターターサイトに掲載された「プロジェクト・ブルー」は、締め切り日の12月下旬になっても約33万ドルしか集まらず、ボツになってしまった。残念ながら、2020年にアルファ・ケンタウリ星系の惑星が地球に似ているかどうかを、われわれは知ることはできない。

しかし、何も始まらないうちに失敗に終わった本プロジェクトから、クラウドファンディングにまつわる幾つかの教訓を引き出せるので、以下それらについて述べてゆきたい。

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