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見た目で食欲をそそるビジュアル系料理全盛の今こそ、知っておきたいこと

2018.01.11

■“男めし”と“レディースメニュー”に2極分化

 いわゆるLGBTの権利や同性婚の緩和など、徐々にではあるものの社会の多様性が進んでいるのが世界のトレンドだが、こともあろうに“食”はまだまだ古典的な男女観を引きずっているというから興味深い。

 カナダ・マニトバ大学のルーク・ズ助教授らが2015年に社会心理学系学術誌「Social Psychology」で発表した研究によれば、“食”に対して社会には根強いジェンダー区分があることを指摘している。メディアではよく女性がサラダやヨーグルトなどを常食する健康的な食生活を好んでいるかのように描かれるが、実際に世の女性には男性に比べればヘルシーな食事を選ぶ傾向が明確に存在しているという。つまり女性的なメニューが伝統的に決められており、そして多くの女性が実際にそれに従っているのだ。

舌だけが主役ではない“ビジュアル系料理”全盛時代に知っておきたいこと
Medical Daily」より

 このステレオタイプとも言える“食べ物観”は食品や料理を選ぶ際にも強力に働いているという。食品のパッケージデザインが放つメッセージに、人々は多大な影響を受けていることが調査で明らかになったのだ。

 研究チームは男女93人に対して3つの調査を行なった。まず最初の調査では、いくつかのフードメニューを男性的か、女性的か、という判断基準で各人に分類してもらった。メニューは主にファストフードで、ひとつの素材で揚げ物と焼き物が併記されている。例えばフライドポテトにベイクドポテト、フライドチキンにチキンステーキといったメニューである。

 結果は総じてより健康的なメニューが女性的と見なされ、より“ジャンク”なメニューが男性的と分類される傾向が男女問わずにきわめて強く存在することが明らかになった。これは観客の大半が男性であるスポーツ観戦で売られているメニューが、ホットドッグやハンバーガーなどの“ジャンクフード”であることの説明になるとズ助教授は言及している。

 2つめの調査は、食品パッケージのメッセージの影響を探るものだ。中身は同じマフィンのパッケージだけを、男性的なデザイン(例えば男性スポーツ選手など)にすると美味しくて高カロリーであると見なされ、女性的なデザインのパッケージにすると健康的でダイエット仕様の食品であると“勝手に”受け取られるということだ。

 面白いのは、女性も男性的なデザインの“ジャンク”な食品を美味しいものであり、高い値段を出しても構わないと認めているのだが、女性が実際に選ぶのはやはり健康志向の食品になりがちだという。

 3つめの調査では、逆にあからさまに“男性”と“女性”を強調した演出は、異性に対してその魅力が薄れるということがわかった。例えば一部の栄養ドリンク剤などは、CMなどでも完全に男性を対象にしていることからやはり女性の関心はあまりひかず、欲しいとも思われない傾向があるようだ。

 日本でも一部のラーメン店などでかなり“男くさい”コンセプトを売りにしているチェーンもあり、ジャンクな感じはするものの“味に自信あり”という印象を抱かせやすいのが人気の秘密の一端ではないだろうか。一方でスープ専門店などは健康食のイメージが広まっていて実際に女性客も多い。普段何気なく選んでいるフードメニューだが、実はまだまだジェンダーが色濃く反映されているのである。

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