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2018.01.09

明日を読み切るために!若いビジネスマン必見のNetflixのドラマ『ランク社会』

 ここ最近、ネットテレビがますます面白くなっている。そこで私も、NetflixとHuluに加入することにした。しかし、Huluは米国製の大味な作品ばかり。派手なドンパチがあって、やたらにマッチョな大男の悪人が大勢出てくるだけで、まったく面白くない。それにくらべると、Netflixのほうが大人の鑑賞に堪えるはるかにまともな作品が多いとわかったので、Huluはすぐに解約した。

 Netflixは、イギリス映画や豪州のものが多くてとても静かな印象だ。イギリスの作品が多いとこうも変わるのかと思うほどの違いだ。『ダウントンアビー』や『刑事モース』、『刑事フォレス』、アガサクリスティーの一連の映画、テレビドラマシリーズなどはどれもユーモアがあって洗練されていて、しかも、人情味がある。いずれも見終わった後で、とてもスッキリした気分になる。

 そんなわけで、面白い作品を求めてザッピングしていたら、凄いものを見つけた。『ブラック・ミラー』というイギリスのテレビドラマシリーズで、現在3シーズンまで進んでいる。これは近未来のSFで、私が関心を持った理由は、3シーズンの最初の回が「ランク社会」(格差社会)というタイトルだったからだ。

 ここまで書いたらピンと来る人もいるだろう。私はこれまでに、クレジットカードによる格差社会の恐さについて本(「信用力格差社会」東洋経済新報社、「信用偏差値・あなたを格付けする」文春新書)を著したり、雑誌の記事を書いたりしてきた。それでこのドラマとはどんなものなのか、大いに興味をそそられたのだ。

 クレジットカードによる格差社会の到来とはこういうことである。なんでもカードで買うようになってくるとカード履歴が蓄積されて、その人の経済状況がわかるようになる。それが進んでいき、個人の社会的な相対価値がわかるようになれば、それが偏差値化する。これを米国では「クレジットスコア」という。

 この偏差値はもともと金融機関やカード会社の要請によって作られたものだ。個人の信用力を個別に測っていたのでは、時間がかかり手間がかかる。それを合理化するために個人信用情報機関が一括して偏差値を出すことになったのだ。

 たとえばこの偏差値が高い人に対しては、住宅ローンの金利が低く設定され借りやすくなる。銀行預金の金利も高く設定されて優遇される。逆に偏差値が低いと住宅ローンの金利は高くなって借りにくくなるし、銀行預金も金利が低くなってうま味がなくなるという具合に、社会の格差をこの偏差値が決める方向に働くのだ。

 この偏差値が社会問題になったのはサブプライムローンのときだった。サブプライムとは偏差値の点数が低い人たちのことで、だいたい650点以下の人がそれに括られた。簡単にいってしまえば低所得者層の人たちだ。逆に700点以上はプライムな人、すなわち最も重要な人といわれる。つまり富裕層だ(偏差値は350点から850点までに分布する)。

 十数年前にアメリカの金融機関は市場拡大を目指してサブプライムの人たちにも無理矢理融資を行った。その結果、最初は順調に返済が行われていたが、もともと貧しい人たちだったから次第に返済が滞るようになり社会的な問題となってしまった。

 そして当時、全米第4位といわれた投資銀行のリーマン・ブラザーズが経営破綻し、これが引き金となって世界的な金融危機となり、大不況が襲った。このサブプライムローン破綻を招いたのが実は「クレジットスコア」(偏差値)だった。

 クレジットスコアはローンに利用されるだけでなく、たとえば結婚や就職や住居を探すときにも重要な目安となった。それがいま、アメリカの格差社会を固定化する元凶として大きな問題となっている。

 そんな背景があって、私は「ランク社会」を観たのだが、その内容は私の予想をいい意味で大きく裏切る近未来の寓話だった。

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