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ポルシェのクルマ造りの理念や思想、哲学などが堪能できるシュツットガルトの博物館

2018.01.08

 そこから左側にはさらにレーシングカーが続いて行く。人気の『917』がバリエーション別に並んでいるのは圧巻だ。1971年のルマン24時間レースに出場した、有名な肌色の『917/20』も展示されていた。『917/20』を豚に見立て、ボディを肌色に塗って、赤い点線で豚肉の部位を区切り、“ロース”や“ヒレ”のような部位名が記されている。別に食肉メーカーやステーキレストランがスポンサーに付いたわけではない。

『917/20』は最も速いレーシングカーとして当時のコンペティションシーンを席巻したが、最もユーモラスなレーシングカーグカーでもあった言えるだろう。洒落が効いているのは王者の余裕で、僕は好きだ。その『917』の4.5L、12気筒ターボエンジンはデビュー時に560馬力の最高出力を発揮していた。戦いが熾烈を極め、ライバルとの間でパワーアップ競争が進むと『917』のエンジンも強化されていった。

 最終的には1200馬力にも増強されたエンジンパワーはターボ過給技術によるもので、今日のポルシェ各車のエンジンにも採用されているテクノロジーである。車体を軽く造ることと併せ、ターボ過給によってエンジンパワーを強化することによって、総合的なパフォーマンスを向上させるというポルシェの一貫した哲学と方法論を見事に展示している。

 そのことを、前出のLEICHTに続き、「STARK」というドイツ語で掲げてある。「強さ、力、強味」(英語だと「STRENGTH」)を意味している。このように、ポルシェ博物館の壁にはいくつかのキーワードが掲げられ、その言葉の背景にあるクルマ造りの理念や思想、哲学などを訴求している。

 年代やカテゴリーのようなわかりやすい区分けによってクルマを陳列するのではなく、概念を示すことによって、見学者の意識のより深いところに訴え掛けている。同じように、「KONSEQUENT」「一貫性」(CONSISTENCY)、「CLEVER」「賢明さ」(INNOVATION)、「SCHNELL」「速さ、スピード」(SPEED)などの言葉が掲げてある。クルマに限らず、博物館とは、“過去の集積”を展示する場所だが、ポルシェ博物館はそれと同時に、現在行っていることと未来のビジョンを暗示している。

 

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