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【開発秘話】累計400万本以上売れているゼブラのジェルボールペン『サラサドライ』(2018.01.07)

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■連載/ヒット商品開発秘話

 左利きの人がボールペンで字を横書きするときや、右利きの人でも封筒やハガキに宛名を縦書きするとき、インクが伸びて字と手が汚れることがある。「速くインクが乾いてくれれば……」と思ったことは数知れないはずである。

 この問題の解決策となるのが、ゼブラの『サラサドライ』だ。2016年2月に発売された『サラサドライ』は、インクの乾燥時間を同社従来品より約85%縮めたのが特徴(0.5mmで普通紙に書いた場合)。紙に浸透しやすい新成分をインクに配合したことで、書いた直後に触れても汚れなくなった。インク色は黒、赤、青の3つで、ボール径は0.4mm、0.5mm、0.7mmの3種類。これまでに累計400万本以上売れている。

■アメリカでの先行販売が決定

 ボールペンのインクは主に、油性、水性、ジェルの3つだが、日本では油性とジェルがメインで、水性はあまり受け入れられていない。なぜなら、ボールペンはノック式が主流の日本では、キャップ式にしか使えない水性は使い勝手が良くないからである。

『サラサドライ』開発のきっかけは、水性ボールペンが好きな同社の研究者の、水性ボールペンに対する強い思いにあった。その研究者とは門脇裕幸氏(研究開発本部研究部化学研究二課 課長)。門脇氏は、軽くスラスラ書ける水性ボールペンが好きで、日本で水性ボールペンのヒット商品を出したいと考えていた。

 水性ボールペンが日本で受け入れられていない理由はインクがキャップ式にしか使えないことのほかにも、筆記線が薄い、インクの乾燥に時間がかかる、ということも考えられた。「ノック式にも使えるようにして利便性を高めると同時に、インクを改良して日本市場向けの新商品として考えるようになりました」と門脇氏は振り返る。

 門脇氏は2009年、温めていたプランを社内発表会で提案する。ただ、このときは特徴が伝わりづらかったことから、ウケがよくなかった。はっきりとした特徴を打ち出した方がいい、ということから、アイデアを練り直すことにした。

 特徴として何を明確に打ち出したら興味を持ってもらえるだろうか--。考えた末に門脇氏が出した結論が、インクの速乾性だった。再び2009年の社内発表会で、インクの速乾性を強調したところ、アイデアが評価され、商品化にゴーサインが出る。

 ただ、日本市場向けの新商品として提案していたものの、反応を示したのは米国現地法人だった。米国現地法人が反応したのは、アメリカには左利きの人が多く、インクがすぐ乾かないと手が汚れ不満につながるため。それまでアメリカ向けの特徴ある商品がなかったこともあり、インクがすぐ乾くボールペンをアメリカ市場向けに発売することにした。

 また、研究開発本部商品開発部の小野陽祐氏は、市場動向から見た『サラサドライ』のアメリカ先行販売の理由を、次のように話す。

「アメリカでは、油性ボールペンは安いものは相当安いのですが、ジェルボールペンは日本と同じかそれ以上の価格で売られる上に、日本よりジェルボールペンが使われている割合が高いです。市場は米国メーカーが上位を占めていたので、当社としては米国メーカーのシェアを切り崩し自社のシェアを拡大したいという思いがありました」


ゼブラ
研究開発本部研究部
化学研究二課
課長
門脇裕幸氏(左)
研究開発本部商品開発部
小野陽祐氏(右)

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