
■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
◆20〜30代の男性が注目するアーバンアウトドア
リフォーム・リノベーションの「朝日リビング」と、アメリカ・ポートランドに本社を置く「コロンビアスポーツウェアジャパン」による、アウトドアをコンセプトにした賃貸ルーム「アーバンアウトドアルーム」をご存知だろうか。
「現在、賃貸ルームは供給のほうが多く、古い空き物件が増えています。ただリノベーションをするのではなく、ターゲットに合わせてコンセプトを明確にすることで競争力を高めることができます。
朝日リビングでは2014年には映画“海月姫”、2016年にゲーム“STEINS;GATE”とコラボしたコンセプトルームを発表したのですが、どちらも賃貸契約が決まりました。
今回は、賃貸ルームに暮らす20〜30代の男性が興味を持っていることは何かをリサーチ。ファッションやインテリアなど、生活にアウトドアを取り入れたいと考えている人が多いことがわかりました。そこで、知名度抜群で、賃貸に住む世代にもファンの多いアウトドアブランドのコロンビアに相談したんです」(株式会社朝日リビング 企画推進部 クロスメディア事業課 政岡洋史さん)
一方のコロンビアスポーツウェアジャパンは「コロンビアでは、都市部に暮らしながらアウトドアを楽しむというライフスタイルを打ち出したいと考えていました。その折に、朝日リビングよりコンセプト賃貸の提案をいただき、今回の“アーバンアウトドアルーム”が誕生しました。
コロンビア発祥の地、ポートランドは、自然と共存するスローライフの街で、DIY、ハンドドリップコーヒーやクラフトビールなど独自のカルチャーを持っており、日本でも注目を集めています。コロンビアでは2016年末に東京・二子玉川でFEEL PORTLANDというフェスを開催するなど、ポートランドを紹介してきました。そこで、今回のコンセプトルームでもポートランドの町並みやカルチャーをデザインに反映してもらうことにしたんです」(株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン マーケティング部 新井春菜さん)。
古い倉庫街を再開発してクリエイターが集う最先端エリアに変身させたポートランドと、賃貸ルームをリノベーションで価値を高めるという点も似通っていておもしろい。
賃貸ルームのリノベーションを手がけた株式会社朝日リビングの政岡さんと、デザインを提案した株式会社コロンビアスポーツウェアジャパンの新井さん。
ポートランドといえば、レンガ作りの工場や倉庫街、石畳の道をいかした再開発が有名だ。そこで、壁紙は古びたレンガをイメージ。内覧会ではコロンビアのウエアやバッグを中心に、アウトドアテイストのファニチャーや雑貨を配置していたが、壁と心地よくマッチしていた。「既存の壁紙はありませんから、このコンセプトルームのために作りました。寂れた雰囲気、質感など苦心しました」(政岡さん)