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死亡率が上がっている前立腺がん、男性機能が失われる恐怖を考える

2018.01.03

■手術で男性機能が失われる恐怖

 早期発見した場合、用いられることが多い治療法は手術だが、一番の心配は、「手術後に、ちゃんと勃起するのか」ということではないだろうか。女性にはなかなか理解されないが、勃起は男にとって一大事。しかし残念ながら、性機能に関する神経や、尿、腸機能の神経など、様々な神経が前立腺を取り巻いているので、勃起力は手術前に戻ることはない。残酷かもしれないが、前立腺がんを手術で治療するとしたら、この現実は受け入れるしかない。

 この問題は、現場の医師にとっても悩ましい。本書でも、そのことが綴られており、医師の苦悩が垣間見える。

「患者さんとお話していると、使っている、使っていないに関わらず、勃起するという事実が、生きる原動力や推進力になっているように感じることもあります。おそらく、セックスができる、できない、ということでも、快感や快楽の問題でもなく、生殖器が正常に機能しているというのは、男性としての自信の源なのではないでしょうか。

 今までわかりやすく勃起という言葉を使っていましたが、『男性機能』といったほうが、状況をよくいいあらわしているかもしれません。

 手術を終えた患者さんの中には、「男を終えた」「急に年をとってしまった感じがする」と嘆く方もいらっしゃいます。自分が人生を闘ってきた象徴として、男性機能が存在していたのです。いわば自尊心の塊です。これが手術で、すべてとまではいわないまでも失われてしまう。その恐怖が非常に大きいのだと思います。とても深く難しい問題です」(第5章 p119-120)

 男は女より繊細なところがある。男としての機能が一部でも失われると、男としての価値が下がったとショックを受けてしまうもの。これは年齢とは関係なく、何歳になってもそうだ。だから、前立腺がんの手術を受けた男性の配偶者には、そんな男性の繊細な心を十分理解して接して欲しいと思う。

 男性機能の低下のほかに、手術によっては射精のクオリティ低下なども起こり得るが、本書では術後の変化の中で一番深刻なものとして、手術によって排尿のクオリティが下がることを挙げる。尿漏れを起こすケースが多く見られるという。

 著者は、日本人の場合、性機能のクオリティが下がることより、排尿のクオリティが低下することのほうがガッカリする人が多いのでは、と指摘する。

「だいたい、患者さんの85%が3か月で尿漏れがなくなります。1年経てば95%は治まっているといっていいでしょう。ただし、平均3か月ですから、耐えるのが難しいと感じる方もいます。むしろ日本人の場合は、性機能のクオリティが下がることより、こちらのほうでがっかりする方が多いかもしれません」(第5章 p129)

 生理的な尿失禁が頻繁に起こる女性と違い、男性は尿漏れに慣れていない。起こしてしまったことで衰えたと思い込んでしまい、打ちのめされてしまう。ナイーブな生き物だけに引きずってしまいかねないので、周囲のサポートや励ましも、前立腺がん経験者のQOL(生活の質)を高めるには大切なことだろう。

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