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死亡率が上がっている前立腺がん、男性機能が失われる恐怖を考える

2018.01.03

 少し前のデータになるが、2014年の日本でのがん死亡は36万8103例。死亡数が多いのは、上から順に肺、胃、大腸、膵臓、肝臓となっている。肺がんと大腸がんは死亡率が上昇傾向にあるものの、胃がん、膵臓がん、肝臓がんの死亡率は下降しているという。

 しかし、この裏で、あるがんの死亡率が上昇している。それは前立腺がん。恐ろしいことに、2015年のがん罹患率(病気にかかる割合)の短期予想は10年前の3倍で、9万8400人が前立腺がんになるとされたほどである(2015 国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター より)。しかも、男性では一番罹患者が多く、成人男性であればもはや、無視できない病になった。

 とはいえ、前立腺がんは、肺がんや胃がん、大腸がんに比べると、いまだに馴染みが薄く、よくわからない面がある。わからないだけに不安だけが先行しかねないが、前立腺がんの不安を解消するべく前立腺の仕組みから最新の前立腺がんの治療まで幅広く網羅した一冊が、『前立腺がんは怖くない』(小学館)である。

■日本人はかつて、前立腺がんにならなかった?

 前立腺は男性にしかない臓器だということは知っていても、どのような役割があるかといった詳しいことを知らない人も多いことだろう。簡単に説明すると、前立腺とはほ乳類のオスだけが持っている臓器で、精液の一部を大量生産するほか、泌尿器系から生殖器系への細菌の感染を防ぐセーフガードの役目があると考えられている。クルミのような大きさ・形をしており、成人で一定の大きさになる。しかし、まだ解明されていないことが多く、未知の臓器といってもいい。

 日本で前立腺がんが認知されるようになったのは、PSA(腫瘍マーカー)検査が普及した1990年代。それ以前は、「日本人は前立腺がんにならない」「日本人は前立腺がんが少ない」といった定説が流布していたほどで、一般人はおろか、医療関係者の間でもきちんと認知されていなかった。

 前立腺がんが見つかった場合、治療法は、

1.手術
2.放射線療法
3.内分泌治療法
4.PSA監視療法

 の4つから選択される。「進行スピードの遅い前立腺がんは、早期に発見すれば、いろいろ有効な対策がありますから、命に別状はありません」(第3章 p79-80)というわけだから、早期の発見がいかに有効であるかを理解しておいた方がいいだろう。そして早期発見は、前立腺がんに限ったことではなく他のがんでも同様だということは強調しておきたい。

 選択できる治療法は、がんの進行度合いによって変わることは、誰でもイメージできるだろう。リンパ節、骨、他臓器に転位が見られる「転位進行がん」になると、手術が非常に難しく、選択されることはまずない。

 では、医師はどうやって根治の可能性をジャッジするのか。本書では次のように言及している。

「具体的にお話すると、医師はまず患者さんを診察します。その際、転移があるかどうかだけでなく、前立腺がんがどういう進行段階のものか、悪性度はどうか、腫瘍の強さはどうか、腫瘍の病期――ステージはどうか、PSAの値はどうか……と、がんの性質を診ています。その際に、こうした情報をすべて加味してリスク分類を行なっていきます」(第3章 p102)

 ここで言うリスクは、「低リスク」「中リスク」「高リスク」の3段階に分類され、治療法は最終的に、リスク分類にしたがって患者と相談しながら決められる。最適な治療法は患者一人ひとり異なることになるわけだから、患者には医師が提案する治療に対して、これからの生き方などの観点から治療法をジャッジすることが求められる。

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