
若い世代のビジネスパーソンの中には、将来への不安から投資をスタートしたいと思いつつも、どこから手をつけるべきかわからないまま、時間だけが過ぎている人も多いのではないだろうか。
時間もお金も余裕がない人が多い、働き盛りのこの世代。毎日の生活費と貯金、そしてスキルアップや子育て費用だけで精いっぱいで、投資なんて余裕はないかもしれない。
しかし、本業のみの収入だけで一生やっていけるのかという不安もつきまとう。たとえ少しずつでも、別の収入源があれば……と考えるのは自然なことだ。
そこで今回は、長年にわたって資産運用相談業務に携わってきた経済コラムニストの大江英樹氏に、若い世代のビジネスパーソン向けの資産運用アドバイスを伺った。
■“目新しい金融商品で一発逆転”の思想は危険!まずはコツコツ働くこと
まずは、大江氏に“投資の基本”を伺った。一般的に投資というと、“何もしなくてもお金がお金を生み出してくれて、楽して儲けることができる”というイメージをもたれやすい。
うまくやれば、一攫千金なんてことも……と考える人もいるようだが、大江氏によるとそれはとても危険な考え方だそうだ。
「最近、目新しい金融商品やサービスがたくさん登場していますが、目先の変わったものや流行のものにやたらと飛びつくのはやめたほうが良いでしょう。“楽して儲ける方法”というのは絶対にありません!そのような考えでいると、詐欺の被害に遭いやすい。まずは、ちゃんと“一生懸命に働く”こと(笑)。これが、生涯にわたってお金に困らないためのもっとも大切な基本です。投資はその次です」
■投資スタートは早ければ早いほど良い!まずはワンコインの投信積立から
では、もうすでに一生懸命働いている人はどのように資産形成すればよいのだろうか?若い投資初心者が無理なく投資デビューするためのポイントを教えてもらった。
「まずは、定期預金でも定額投資でも良いので、とにかく“天引きでお金を貯める習慣”を身につけること。定額投資というのは、投資信託などを毎月一定額自動的に積み立てるというものです。
SBI証券とカブドットコム証券では、月500円から投資信託の積み立てができます。ワンコインなら、生活を圧迫することもないですし、余裕で貯金をしながら気軽にスタートできるでしょう。
そして、これはとても大事なことですが、始める時期は早ければ早いほど良いです。資産運用は、長期の方が良い結果が得られやすいからです。長期で少しずつ積み立てる場合は、1年に1回くらい投資信託の状態をチェックすればよいでしょう。
ちなみに、数百万など大きなお金をつぎ込んで短期でドカンと儲けようとすると、必ず大損しますよ。とにかく、無理のない範囲で少額からで良いので今すぐスタートすることです」