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ロボアドバイザーは投資理解の助けとなりうるか?

2017.12.31

■自社取り扱い商品のみで囲い込むロボアドバイザーという問題もある

 もうひとつ注意すべきは、自分のところで取り扱っている金融商品のみを顧客に販売するロボアドバイザーもある、ということです。

 アドバイスがもし適切であったのならば、どこの金融機関に口座を開こうと自由であるはずですし、むしろ、複数の金融機関を活用してでも最高の条件の投資商品を買い集めるような助言があってしかるべきです。

 しかし、それでは販売手数料等の運用にかかる収入を得られません。自社取り扱い商品のみでの助言を行うロボアドバイザーについては、注意をしておくといいでしょう。要するに顧客囲い込みツールを格好良くしただけというわけです(ETFはどこの証券会社でも購入できるため、投資信託を対象としたロボアドバイザーがこの注意対象になります)。

■プログラムの基礎数値をいじればアドバイスの結果もガラリと変わってくるが見分けることは不可能

 さらに、ロボアドバイザーの注意すべきポイントは、そのバックグランドデータの正当性をユーザーが検証する方法がない、ということです。

 資産配分のシミュレーションと具体的な金融商品のマッチアップを行なうためには、いくつかの基礎的なデータが必要になりますが、そこを明らかにすることはまずありません。仮にAPIが公開されて、プログラムの第三者利用が促進されたとしても、プログラムそのものの中身はオープンにならないでしょう。

 なぜならプログラムの中身と基礎的データの設定そのものが各社のロバアドバイザーの個性であり他社への優位性になるからです。

 だとすれば、ロボアドバイザーが良いチューニングをされているかどうか顧客は知る方法がほとんどなく、でも「フィンテックだから」と頼るような構図になります。

 場合によっては「サイトが格好いいから」「広告がよくできているから」という理由でロボアドバイザーと契約することもあるでしょう。どんなに高度なシステムがあろうと、最後は私たちの感覚で利用することになるわけです。

■ロボアドバイザーを使いこなせる人は、ロボアドバイザーを使わなくてもいいという矛盾

 結局のところ、ロボアドバイザーは安易に頼ると危険な要素が多々ある一方で、それを理解のうえでロボアドバイザーを利用できるようなレベルの人はロボアドバイザーをほとんど必要としないという矛盾が起きます。

 フィンテックのヒーローをたたきのめすようで恐縮ですが、現在のロボアドバイザーは、紙のアンケート用紙で行なっていたヒアリングをネットで行なって、具体的な商品を提示する部分を少し精緻化したものです。

 5%刻みではなく1%刻みにしたり、具体的な金融商品名まで提示するようになったところは進歩ですが、シミュレーション結果を決めるのはシステムというより、あなた自身の回答です。

 あなたが「運用目的は余裕資金運用」とすれば株式投資比率は高くなり、「株価急落時には慌てて売ります」と答えれば株式投資比率はぐんと下がります(シミュレーションページでいくつか試行錯誤してみるといい)。

【フィンテック入門】ロボアドバイザーは、投資理解の助けとなりうるか

 しかしロボアドバイザーに安易に頼る人は、それが分からないため、自分の投機意欲を回答に入力、それがプログラムが勧めるベストなポートフォリオだと考えてしまう恐れがあります。「正解はプログラムが出すのではなく自分自身の内側にある」ということを理解する必要があります。

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