人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

セクハラや性犯罪の被害を公にする人が増えている理由

2017.12.30

■矛盾と嘘を繰り返す

 被害者がなぜ、労働組合や公的な機関に訴えるのか。その大きな理由は、「社内では解決に向けた話し合いができないから」である。誰かにセクハラをされていることを話しても、ほとんどの社員は御身が見て見ぬふりだ。私が取材する被害者の大半は、「周囲の社員は一切助けてくれなかった」と話す。

 被害者が労働組合や公的な機関に話を持ち出すと、人事部や役員、一部の管理職は一転して言い始める。「社内で話し合いをして解決しよう」。

 では、なぜ、これまでに解決を図ろうとしなかったのか、そこに矛盾がある。だからこそ、被害者は憤り、エスカレートするのだ。怒るほどに、会社は前述したように嘘をついて社の権威や威信、社会的な名誉を守ろうとする。被害者の怒りが爆発するのは、こういう矛盾や嘘に満ちているからだ。

■「きれいな絶縁」をするために

 被害者が労働組合や公的な機関に訴える理由には、精神的な虐待を受けた思いを晴らすことで、今後の人生の区切りをしたいという思いもある。精神的な虐待をした側は忘れてしまうかもしれない。しかし、された側は忘れない。深い傷を抱えたままの人もいる。精神疾患になるケースもある。そこで労働組合や公的な機関に訴えることで、会社や加害者と「きれいな絶縁」をしようと考える被害者が現れる。「会社に残りたい」ではなく、「縁を切りたい」から訴えるのだ。

 ところが、役員や管理職の一部は「未練がましく、会社に残ろうとしている」と誹謗する。非管理職は、また見て見ぬふりだ。そのことに被害者は激しく怒り、裁判などに発展するケースがある。

 最後に…。ここ1~2年、「働き方改革」が議論される。労働時間の削減や女性の管理職を増やそうとする以前に、企業社会が取り組むことがある。セクハラや性犯罪のような虐待を固く禁じ、加害者に徹底して厳しい態度で臨むことだ。パワハラや退職強要についても、民法の損害賠償請求対象行為であり、不当な行為である以上、本来は厳しい姿勢で対処するべきなのである。それこそ、急務の「働き方改革」ではないだろうか。

文/吉田典史

ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。近著に「会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ」(KADOKAWA/中経出版)。

■連載/あるあるビジネス処方箋

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2020年3月16日 発売

特別付録は進化した「超望遠12倍スマホレンズ」!5Gの最新情報や今買うべき新製品を一挙紹介!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。