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最新の「動物行動学」が教えてくれる犬の世界

2018.01.12

兄弟よりも人間に安心感を抱く犬ゴコロ

「分離不安」などとも呼ばれますが、お留守番が苦手な子も多いのではないでしょうか。『犬はあなたをこう見ている――最新の動物行動学でわかる犬の心理』で、とても興味深い研究が掲載されていたのでご紹介します。

対象となったのは、7~9歳の8匹の雑種。生後8週間からずっと兄弟のペアで、ほとんど離れることなく犬舎で暮らしていました。世話をしていたのは、1人の人間です。そして、以下の3つの状態をつくりました。

(1) 暮らしてきた犬舎で、4時間1匹だけにする。
(2) 今までと違う犬舎で、兄弟のペアだけにする。
(3) 今までと違う犬舎で、世話係の人間がいる状態にする。

その結果、(1)で住み慣れた犬舎に残った1匹は何も変わった様子を見せず、血中のストレスホルモン、コルチゾールの量も変化がなかったそう。しかし(2)になると、犬たちは動揺。ストレスホルモンも50%以上増えました。これは1匹でも2匹一緒でも変わらなかったそうです。

ところが、(3)で意外な変化が。慣れない犬舎にいる犬たちのそばに世話係の人間が座ると、犬たちはそばに来て離れなくなりました。しつこく触れ合いを求められたので世話係が軽くなでてやると、ストレスが消えたように。コルチゾールの量も正常値になったようです。

自分のテリトリーで安心するというだけでなく、いつも世話をしてくれている人間に、兄弟の犬よりも安心感を抱くことがわかった実験結果。オオカミとはまったく違う、犬と人間との特別な関係がわかります。

そんな話を聞くと、ますます甘えっ子にこたえてあげたくなりますよね……(笑)。

お留守番の不安を取り除くには?

そして犬たちは、「今」を生きています。人間とは違って、過去に思いをはせたり、未来のことを考えたりするのは得意ではありません。そのため、何かいいことをしてご褒美をするときは1、2秒以内にしなければ意味がないそう。時間が経ってしまうと、ほかのことに関連付けて覚えてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

不安や恐怖を払拭するには、楽しいことと結びつけるのが一番。お留守番が苦手な子には、こんなオススメの方法も掲載されていました。

犬は、たとえば私たちが出かけようとして鍵を持つことをインプットし、「これから寂しい時間が始まるんだ!」と、嫌なものとして覚えてしまうのだとか。その不安を楽しいものに変換するには、イメージを上書きしてあげればよいのです。例としては、以下のような手順となります。

(1) 鍵を持ち、犬を褒める。おやつでやる気が出るタイプには、おやつをあげる。
(2) 鍵を持ち、ドアまで歩いて、犬を褒める。
(3) 鍵を持ち、ドアから外に出て、すぐに中に戻り、犬を褒める。
(4) 鍵を持ち、ドアから外に出て数秒待ち(※1分、数分と時間をのばしていく)、戻って犬を褒める。
※途中、犬が少しでも不安そうにしたら褒めるのをやめ、一段階戻ってやり直す。

また、我が家でも思い当たるのですが、お留守番が長時間になるとだんだん飽きてきて、ひまだからと何かを壊したりする子もいます。そんなときには、肉の匂いがついたガムや、パズルなどの知育おもちゃで好きなエサが入れられるものを用意。気がまぎれるそうです。

帰ってきて何かをしでかしていたとしても、決して罰は与えないこと。罰しても「今」やったことじゃないので何に怒られているかわからないばかりか、留守番への不安が一層増すことになってしまうんです。

お留守番のとき、いたずらを防ぐには何か飽きさせない工夫も必要なんですね。

『犬はあなたをこう見ている――最新の動物行動学でわかる犬の心理』には、ドッグトレーナーが書くしつけ本とはまた違った視点で、科学的な研究データに基づいた「犬の気持ち」がひもとかれています。結構読みごたえがありますが、大事な家族を理解するためにも、ぜひトライしてみてください!

文/中西 未紀

構成/ペットゥモロー編集部

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