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廃止まで、あと3か月!今しか行けない「JR西日本三江線」の旅

2017.12.27

■波瀾

「次は宇都井、次は宇都井でございます。宇都井は、別名“天空の駅”と言われ、地上からの高さ、およそ20メーターのところにございます。高架式の駅としては、全国のJRの駅では、1番高いところにある橋台です。地上からは、116段の階段により、建てられております。

 宇都井駅のホームは右側にございます。左側は、田舎の末端が見下ろせます。

 停車時間はわずかでございますので、ホームに降りての写真撮影等は、御遠慮くださいますように、御協力をお願いいたします。

 次は宇都井、次は宇都井です」

 伊賀和志を発車すると、車掌は次の宇都井について案内する。三江線では江の川と並ぶ“セールスポイント”だ。また、浜原まで少しスピードを上げて走行する。


まもなく宇都井。

 宇都井はトンネルとトンネルのあいだにある駅で、地上とホームのあいだは螺旋階段で結ばれており、徒歩約1分20秒かかるという。エレベーターやエスカレーターもないので、高齢者や身障者にとっては、駅自体が難所となってしまった。後年は“天空の駅”として、メディアに取り上げられており、観光地としての役割を担う。

 しかし、ここで下車すると、次の列車は下り17時37分発の普通列車三次行き、上り18時09分発の普通列車浜原行きまで待たなければならない。仮にタクシーを使うと、下りは口羽始発15時17分発の普通列車三次行き、上りは浜原始発17時08分発の普通列車江津行きに乗車できる。

 さて、三江線は島根県の江津と広島県の三次を結ぶ陰陽連絡路線のひとつとして、1930年4月20日に「三江北線」として江津―川戸間が開業。その後、順次延伸され、1937年10月20日に浜原まで延びた。しかし、戦時下のため、工事は中断を余儀なくされる。

 戦後、1955年3月31日に「三江南線」として三次―式敷間が開業。全通に向けて工事を進めていたが、電源開発株式会社が江の川電源開発計画に乗り出し、中断を余儀なくされる。三江南線の建設予定地と電源開発計画の水没予定地が重なったためだ。

 事態を重く見た運輸省(現・国土交通省)、通産省(現・経済産業省)、経済企画庁は協議を行ない、2度にわたる覚書の末、三江南線の建設続行と、江の川電源開発計画のとりやめが決まった。

 建設中止の危機を脱した三江南線は、1963年6月30日に口羽まで延伸。その後、浜原―口羽間の建設は日本鉄道建設公団に引き継がれ、1975年8月31日に全通。南北両線は「三江線」に統合した。

 しかし、全通前に国道261号線が整備されていたこともあり、陰陽連絡路線の機能をまったく果たせず、乗車密度も低い。国鉄時代、「代替道路の未整備」という理由で、“廃止確定”を示す特定地方交通線に指定されず、分割民営化後はJR西日本に引き継がれた。

 JR西日本は、列車のワンマン運転化、一部駅の行き違い設備撤去などの経費削減、SL列車の運転を行ない、三江線の永年存続に向けて精いっぱいの努力をしてきたが、乗客の減少に歯止めをかけられず、2016年9月1日に廃止を表明した。2018年4月1日から路線バスに引き継がれる予定だ。

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