■通過
尾関山を発車すると、三江線の“相棒”というべき江の川を渡る。これから先、一部を除き江の川に沿って進む。平日のせいか、乗客はレールファンより地元の方々が多い。
列車は「マラソンランナーといい勝負」といえるほど、ゆっくり進む。
10時16分、秘境駅の長谷を通過。下りは朝、上りは昼以降のみ停車する駅で、周囲は民家もない。ホームの有効長は3~4両分確保していた模様だが、現在は江津寄りの一部が使用停止となり、柵で仕切られた。
「立ち止まらず、奥へおつめくださーい」
作木口で20人以上の高齢者団体が乗車。時刻通りに発車しなければならないので、車掌は乗車を急がせる。
車内は地元客の会話が弾む。ボックスシートでは相席の旅人に声をかけ、東京や金沢など、遠方からの“来客”に驚いていた。東京から来たという男性客は、「僕はバツイチ」と素直に言い、おばあさまから「(余計なことを)言わんでもいいのに」と突っ込まれていた。
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