■メカではなく「誰が何をするか」が物語の基本
『スター・ウォーズ』が福井さんの心に一番響いたのは「大河ドラマである」ことだったそうだ。「大河ドラマの骨子っていうのは、別に国の歴史がどうとか、勢力がどうで戦争どうこうって話じゃなくて、本当に「一家族の話」なんです。『スター・ウォーズ』はスカイウォーカー家の話で、そこからは一切外へ出ていない。そういう非常にちっちゃい、半径何メートルくらいのものをいかにマクロな世界と対照して描いていけるか、ってことが大河ドラマを作るということなんです」
『スター・ウォーズ』に作品を作る上での根本姿勢を教えられ、その教えは今も生きているという福井さんは、作品づくりで大事にしなくてはいけないことを教えてくれた。
「メカがすごい好きな人って作り手側にも受け手側にもいて、新しい作品を作る時に、どのメカをどのシーンでどう活躍させるかについ主軸が移りそうになるんだけれども、そういう人たちって声は大きいけど数は少ない、という実感が俺にはあるんですね。じゃあ多くの人が作品に求めるものって何かっていうと、基本的に「誰が何をするか」なんですよ。かっこいいメカがどうこうではなく、そこに乗っている人はどこから来て、何を考え、どこへ行くのか、というのを描くのが映画であって、そこのところは本当に動かないものなんです。それが『スター・ウォーズ』にもあるんですよね」
そして新たなサーガとなる新作『最後のジェダイ』には期待している、という福井さん。
「今までにない衝撃、これまでのスター・ウォーズをひっくり返す、という言葉が聞こえてくるじゃないですか。それって『エピソード5』とまったく同じやり方だよね、っていうところも含めて、旧3部作の流れを踏襲しているなって思いますね。そしてレイやフィンなど、まだまったくわからない新しいキャラクターの背景も、今作ではさすがに少しは開くでしょう。でもチラッと見せるだけでパタッと閉じて、『俺はこう思う』『いやこうじゃないか』と深読みさせる感じなんでしょうけど(笑)」
■まさか『スター・ウォーズ』に泣かされるとは思わなかった
『スター・ウォーズ』で一番好きなキャラを聞くと「難しいな。ヨーダかダース・ベイダーなんですけど……やっぱりダース・ベイダーかな。あんな仮面の悪いキャラクターなんだけど、彼に感情移入して泣くために6作が費やされたっていう見方もできるくらいの作品の顔ですからね」と言う福井さん。実は『エピソード3』で、ダース・ベイダーになってしまったアナキンを観て泣いてしまったという。
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