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何分までなら待てる?人気店の〝行列〟を科学する

2017.12.19

■並んで待っているうちに大盛りが食べたくなる!?

 行列についてさまざまな興味深い研究が行なわれているが、並ぶことは消費行動にも影響するのだろうか。例えば並盛りのラーメンを食べようと思って列に加わり、待った末の注文でなぜか大盛りを注文してしまうということが起り得るのだろうか。最新の研究ではそれはじゅうぶんにあり得ることであることを指摘している。

 行列を研究したこれまでの文献では、顧客の消費に関する意思決定は行列に並んで待機している時間とは無関係であることが暗黙の前提になっていた。つまり行列に並ぶことは消費行動に影響を与えないとされてきたのだが、米・ジョージタウン大学の研究チームがこの7月に発表した研究では我々は行列に並ぶことで消費行動が変化することを示唆している。

 言うまでもなく行列は客にとって消費行動を妨げる障害であり時間的コストである。しかしこうしたコストを受け入れて並ぶ判断をするということは、当然ながら並ぶ価値があるということだ。研究チームは一連の研究を通して行列と消費行動の関係を調べ、人々が行列に並んで長い時間を過ごすほど、消費を増やす傾向があること突き止めた。つまり並んでいる時間が長いと、最初の想定よりも消費量が増えるのである。


SSRN」より

 このメカニズムは、長い時間並んだ行為に報いるために最初の予算よりも多くの金額を費やすのだと研究チームは説明している。つまり辛抱強く待った自分への“ご褒美”なのだ。行列のできるラーメン店では最初は並盛りを食べようとしていたとしても、行列で待つ時間が長いと思わず大盛りにしてしまったりトッピングを追加してしまったりしがちになるのである。

 したがってどんな分野であれ“行列のできる店”は経営においてきわめて有利な状況にあるといえる。顧客は自発的に行列に加わって待ってくれて、しかも客単価がアップするのだ。

 店や会社の経営方針でなるべく行列や混雑を解消できるようさまざまな対策を講じるケースもあり、そうした対策で確かに顧客の満足度は上がるが、皮肉なことに混雑が解消したことでお客の消費金額は低くなるという。お客には不便をかけるものの、ある程度の行列や混雑があったほうが経営的には好ましいということになる。適度な待ち時間で客の回転が早い店こそ名店ということになるのかもしれない。

文/仲田しんじ

フリーライター。海外ニュースからゲーム情報、アダルトネタまで守備範囲は広い。つい放置しがちなツイッターは @nakata66shinji

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