・スポーツスターファミリー
上記ファミリーがビッグツインと呼ばれる1500cc以上の大排気量エンジンを搭載しているのに対し、小柄で排気量も抑えられているのがスポーツスターファミリー。とはいっても、排気量は883ccと1200ccもあり、車体も重量は200kg以上! その名の通り、もともとは1950~60年代、トライアンフなどの軽量・ハイパフォーマンスな英車に対抗するために生み出された「スポーツモデル」である。
・V-RODファミリー
ハーレーの量産モデルとして、はじめて水冷エンジンを採用。冷却方式だけでなく、伝統のOHV→DOHCとなり、シリンダー間の角度(挟角)も45°→60°に変更し、「新時代のハーレー」をアピールした。2018年モデルからは残念ながらカタログ落ちとなってしまった。
・H-Dストリートファミリー
次世代を見据えた新開発水冷Vツインエンジンを搭載し、ビギナーでも購入しやすい価格設定が特徴。国内では750ccのみのラインナップだが、海外では500cc版もある。国内用として、500ベースの400ccスケールダウン版が欲しい!
※他にも特別仕様の「CVOファミリー」や普通免許で乗れる3輪モデル「トライクファミリー」などがあるが、ここでは割愛する。
「ハーレー」とひとくちに言っても、じつは様々なモデルがあり、それぞれに個性があるのだ。そして先日、2018年モデルが発表されたのだが、じつは多くのハーレーファンが驚愕する変更があった。それが、「ダイナファミリーの廃止」と「ソフテイルファミリーへの統合」である。
ハーレー・空冷ミドルクラスの両巨頭として長年、その人気を二分してきたのがダイナファミリーとソフテイルファミリー。似ているようで、その棲み分けは上記のようにはっきりしていた……ハズ。しかし残念ながら、ダイナファミリーは2017年モデルをもって、その姿を消すこととなったのだ。
ただし、一部のダイナモデルはその名前をソフテイルファミリーに残すこととなった。それが「ソフテイルファミリーへの統合」が指す意味。具体的にはローライダーやストリートボブといったダイナ時代に人気のあったモデルが、フレームをソフテイルに変更しつつも、現行モデルとして残ることになったのだ。
また、ソフテイルファミリー自体もフレーム形状の変更が行われ、パフォーマンスが大きく向上しているのも特筆すべきポイント。1984年の登場以来、基本的な構造を変えず、もはや「ハーレー伝統のフレーム」ともいえるものだったが、ダイナが持つスポーツ性能をソフテイルにも与えるべく、変更が加えられたのだ(詳細は後述)。ほかにも2017年モデルからツーリングファミリーに採用されていた新型エンジン「ミルウォーキーエイト」を搭載するなど、まさに2018年はソフテイルだけでなくハーレーにとっても大変革の年! ハーレーは変わらないようでいて、常に進化を続けている。King of Motorcycleは、決してブランド力にあぐらをかいているわけではなく、むしろその逆。ブランド力を磨くために変わり続けているのである。