◎二極化が進む日本のミレニアルズ
このほか武田氏は、インターンに来る学生の起業テーマに教育が多いことを挙げる。
「同世代の起業家仲間だけでなく、Rettyのインターンシップ生にも教育分野で起業を目指す学生がいました。イベントなどで、学生から起業相談を受ける時にも、会話の中に教育分野に関心が強いことを感じます。世の中を良くしたいという想いが起業の動機となり、起業を通じて教育を変えることが社会に貢献する感覚につながるのかもしれません」
一方、袴田氏は「社会問題に関心が強い人がいる一方で、あらゆることに無関心な層もたくさん存在し、二極化が顕著なのがミレニアルズではないか」と指摘する。これは博報堂の原田氏が『ヤンキー経済』(幻冬舎新書、2014年)の中で取り上げている地元志向が強い若者層「マイルドヤンキー」と重なる。東京など大都市を目指すことなく、自分の親兄弟や地元の友達などの関係を重視して地域のコミュニティーで暮らす若者たちだ。
これは仲氏が考える共同体的なものとは異なる、地縁・血縁の側面が強く表われたトライブのひとつで、こちらもミレニアルズ的な現象といえるだろう。
〈今年の大ヒットドラマ『コード・ブルー』プロデューサーに聞く〉
月9復活のカギも「ミレニアルズ」にあり!?
前作から約7年。藍沢(山下智久、32歳)や白石(新垣結衣、29歳)らが、それぞれ成長し、後輩のドクターを教える立場となった『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』は全話視聴率14・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好成績を収め、2018年の映画化が決まった。中心的に描かれたのがミレニアルズたちの葛藤や苦悩とあって、月9離れがささやかれていた若い世代へのアプローチを狙ったのか。プロデューサーの増本淳氏は「『コード・ブルー』シリーズは従来の医療ドラマとは違う作品。なので、誰を狙ったとかは一切ないです」と話す。しかし、そのうえでヒットの理由を「命を扱う医療現場こそ、人間の醜さや嘘がむき出しになる。がんばってもうまくいかない自分の未熟さなど、ありのままを描きました。『コード・ブルー』にはスーパードクターが出てこない。このリアルさがミレニアルズにウケたのかもしれません」
本作のテーマがチームワークや成長であったのは事実。恋愛モノにないリアルさがミレニアルズからの共感を呼んだのだろう。
流産した冴島(比嘉愛未、31歳)に車中で声をかける藤川(浅利陽介、30歳)。結婚もするし、クルマにも乗る。こうしたリアルさも『コード・ブルー』の魅力のひとつ。
増本 淳さん(41歳)
フジテレビ 編成局制作センター第一制作室 副部長。『救命病棟24時(第3シリーズ)』『Dr.コトー診療所2006』などのプロデュースを担当。
文/編集部
※記事内のデータ等については取材時のものです。
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